
【春の季語=仲春(3月)】涅槃雪
春を迎えて、その年の雪の降り納めのこと。旧暦二月十五日頃に降ることが多かったことから「涅槃雪」とも呼ばれる。「涅槃」もまた春の季語。
【涅槃雪(上五)】
涅槃雪牛の舐めゐる牛の尿 鈴木牛後
【涅槃雪(中七)】
【涅槃雪(下五)】
罪深き髪を赤染め涅槃雪 上田五千石
しみしみと積む雪となり涅槃雪 森澄雄
目を線にして笑ふ婆涅槃雪 林翔
山中や泉を寝かせ涅槃雪 村越化石
吊鐘の鋲を鎧ひて涅槃雪 鷹羽狩行
月山へ酒負ひてゆく涅槃雪 有馬朗人
まつしろに降りまつくらや涅槃雪 斎藤慎爾
杉山の中は吹雪かず涅槃雪 堀瞳子
泳ぐやうにもがきマラソン涅槃雪 仙田洋子
平成は静かに貧し涅槃雪 西村麒麟
管は胃へ母乳を届け涅槃雪 山本たくみ
【その他】
お涅槃のかたきまぶたや雪明り 前田普羅
凍る湖かけて涅槃の雪つもる 木村蕪城
墨擦つて涅槃の雪となりにけり 永方裕子
あゆみきし涅槃の雪のくらさかな 田中裕明