【冬の季語】手袋

【冬の季語=三冬(11〜1月)】手袋

俳句では「寒さ」から手を守るために、手をを覆う防寒具のこと。

手袋をつけていることによりものを掴みにくくなったり、スマホが操作できなくなったりするため、外すのだが、そのうち落としたことに気づかず、片手しか残っていないこともある。路上で片手だけの手袋が落ちていることを見つけることも多い。


【手袋(上五)】
手袋合掌させて蔵いし会いたきなり 寺田京子
手袋に手袋重ねおく昼餉  麻里伊
手袋は手のかたちゆゑ置き忘る 猪村直樹
手袋を出て母の手となりにけり 仲寒蟬
手袋の這ひだしさうに卓の上  岡田眞利子
手袋を重ね話の噛み合はぬ  土肥あき子
手袋に手の入りしまま落ちてゐる 澤田和弥
手袋のままで証明写真撮る  藤田俊
手袋に切符一人に戻りたる 浅川芳直

【手袋(中七)】
大いなる手袋忘れありにけり 高濱虚子
漂へる手袋のある運河かな 高野素十
二礼二拍手手袋を買うつもり 池田澄子
剥ぎ取りて皮手袋や裏返る 榮猿丸
ひだまりを手袋がすり抜けてゆく 鴇田智哉
嵌めて鳴る革手袋や月曜来 相子智恵
片手明るし手袋をまた失くし 相子智恵

【手袋(下五)】
夕日いま忘れられたる手袋に 林誠司

【自由律】
さよならのかたちのまま手袋を脱ぐ 松田畦道
手袋なくしたことにして長い坂道  山本弘美


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