【解説】暑い夏の日の、むせぶようなほどの、草むらの熱気のこと。
【関連季語】夏草、極暑、炎暑、炎天、旱、田水沸くなど。
【草いきれ】
草いきれその正体に近づきゆく 波多野爽波
草いきれゾーリンゲンの刃が大事 波多野爽波
草いきれ嘴のごと月細りゐる 友岡子郷
不発弾あるやも知れず草いきれ 鷹羽狩行
戦争の記憶の端に草いきれ 奥名春江
草いきれ振り向きて振り向かれけり 池田澄子
約束の絵を見にきたる草いきれ 田中裕明
人くさきとは比良坂の草いきれ 竹岡一郎
天体のみなしづかなる草いきれ 生駒大祐