冬の季語

【冬の季語】小春日

【冬の季語=初冬〜仲冬(11月〜12月)】小春日

」が吹いて日ごとに冷え込んでいくころ、たまに冬型の気圧配置がゆるんで、春のように暖かくなった日のこと。「小春」「小春日和」「小六月」とも。


【小春日(上五)】
小春日や又この背戸も爺と婆 正岡子規
小春日や石を噛み居る赤蜻蛉 村上鬼城
小春日や烏つないで飼へる家 村上鬼城
小春日の樟立ち並ぶ宇土櫓 水原秋櫻子
小春日や杖一本の旅ごころ 村越化石
小春日の手箱に貼りし写楽の絵 山口青邨
小春日や放屁虫がまつさをに 山口青邨
小春日や婆をつれたり祝の座に 山口青邨
小春日や骨の中からのどぼとけ 岸田稚魚
小春日や花挿してきし父の墓 星野麥丘人
小春日や隣家の犬の名はピカソ 皆吉司
小春日となりつつどこか京の冷 稲畑汀子
小春日が一片の雲もてあそび 鷹羽狩行
小春日や鳩より多き鳩の影 鷹羽狩行
小春日の母の心に父住める 深見けん二
小春日のこゑはむかしの屑や屑 八田木枯
小春日や緑に物縫ふ垣隣 朝妻力
小春日のほこりとなりぬ蓄音機 浅沼 璞
小春日や声を十色に紙芝居 大野崇文
小春日の吾を追ひ越す川遥か 加藤かな文
小春日を隠居おもうてぬりかべは 太田うさぎ
小春日に母をまるごとあづけをり 谷口いづみ

【小春日(中七)】
まことに小春日の竝んでゆくかげの 種田山頭火
すきとほりたる小春日の夕づきぬ 篠原梵
人溢れくる小春日の道一ぱい 右城暮石

【小春日(下五)】
頤がうごきあたりの小春日も 岡井省二


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