【冬の季語】凍つ(冱つ)

【冬の季語=晩冬(1月)】凍つ(冱つ)

いつ。冷たく凍り付いたように動くなること。「凍てる」の文語形である。連体形は「凍つる」。

「月凍つ」などは、歳時記によっては別立てで立項されている。

また名詞として「凍蝶」「凍滝」「凍鶴」など、さまざまな季語がある。


【凍つ(上五)】
凍つる夜の独酌にして豆腐汁 徳川夢声
獄凍てぬ妻きてわれに礼をなす 秋元不死男
凍つる日の書架上段に詩集あり 藤村真理
凍つるなり宇宙の闇が窓にまで 奥坂まや
冱つる夜を炙りて召せと酒の粕 長谷川櫂
刃凍ててやはらかき首集まり来 恩田侑布子

【凍つ(中七)】
なお翔ぶは凍てぬため愛告げんため 折笠美秋
少年が冱てし少女を抱き起こす 竹岡一郎

【凍つ(下五)】
大空に月ぶら下がり雲凍てぬ 池上浩山人
荒嚙みの鬼房ならむ青く冱て 八田木枯
牛の糞父の拳のごとく凍つ 鈴木牛後


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