【冬の季語】寒の雨

【冬の季語=晩冬(1月)】寒の雨

寒中に降る雨のこと。

芭蕉に〈雁さはぐ鳥羽の田づらや寒の雨〉があるが、弟子の支考は「此の句は武江にありし冬ならん、寒の雨といふ名の珍しければ、おのおの発句案じたるに、寒の字のはたらき、此の句に及びがたし」(『西華集』)と絶賛している。


【寒の雨(上五)】
寒の雨あがりて淵の澄みにけり 水原秋桜子
寒の雨東京に馬見ずなりぬ 西東三鬼
寒の雨鳥も獣も宥められ 津田清子
寒の雨小鳥またたき去りにけり 平井照敏
寒の雨鈴売りうどん来てかへす 小林康治
寒の雨わが足音の消えにけり 和田耕三郎
寒の雨夜が来てゐるとも知らず 井越芳子

【寒の雨(中七)】

【寒の雨(下五)】
から舟に鳧こぞりけり寒の雨 大須賀乙字
鉢棚を叩く硬さや寒の雨 竹下しづの女
うしみつや音に出でたる寒の雨 日野草城
湯ほてりのひととゆきあふ寒の雨 桂信子
北冥は納屋よりくらき寒の雨 古舘曹人
飴玉の最後の固さ寒の雨 星野高士
抱く児の確かな鼓動寒の雨 西宮舞
蹲の暗き水底寒の雨 中村恵美

【その他の季語と】
兄妹の焚火のあとの寒の雨 安住敦


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