季語・歳時記

【秋の季語】赤い羽根

【秋の季語=晩秋(10月)】赤い羽根

赤い羽根をシンボルとする共同募金は、昭和22(1947)年に、市民が主体の民間運動として始まりました。今日では各都道府県に設立された共同募金会が実施主体となって、社会福祉を目的とする様々な事業活動に幅広く配分されるようになっています。

市販の歳時記にはいまだに「毎年10月1日から1か月間、街頭その他で行われる」と書かれていることが多いのですが、運動期間については、厚生労働大臣の告示により、10月1日から翌3月31日までの6か月間とされており、12月については、「歳末たすけあい募金」もあわせて実施しています。


【赤い羽根(上五)】
赤い羽根関所の如く売られおり 布目芳子
赤い羽根失くす不思議を言ひ合へる 岡本眸
赤い羽根つけてどこへも行かぬ母 加倉井秋を
赤い羽根つけシースルーエレベーター 佐藤郁良
赤い羽根濡れないほどの雨の降る 山岸由佳

【赤い羽根(中七)】
待ち人の来ず赤い羽根吹かれをり 涼野海音

【赤い羽根(下五)】
駅頭の雨滝なせり愛の羽根 水原秋櫻子
背広よりニットに移す赤い羽根 野中亮介


【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 【春の季語】春塵
  2. 【冬の季語】蕪
  3. 【冬の季語】納豆
  4. 【冬の季語】湯ざめ(湯冷め)
  5. 【秋の季語】良夜
  6. 【夏の季語】夏の夢
  7. 【春の季語】春の泥
  8. 【新年の季語】初詣

おすすめ記事

  1. 石よりも固くなりたき新松子 後藤比奈夫【季語=新松子(秋)】
  2. 【夏の季語】七月
  3. 菜の花月夜ですよネコが死ぬ夜ですよ 金原まさ子【季語=菜の花(春)】 
  4. 胡桃割る胡桃の中に使はぬ部屋 鷹羽狩行【季語=胡桃(秋)】
  5. 悉く全集にあり衣被 田中裕明【季語=衣被(秋)】
  6. 松過ぎの一日二日水の如 川崎展宏【季語=松過ぎ(新年)】
  7. 俳人・広渡敬雄とゆく全国・俳枕の旅【第56回】 白川郷と能村登四郎
  8. 【新番組】「ラジオ・ポクリット」【第1回】(ゲスト:鈴木牛後さん)
  9. 神保町に銀漢亭があったころ【第86回】有澤志峯
  10. 【夏の季語】蚊/藪蚊 縞蚊 蚊柱

Pickup記事

  1. 【書評】吉田林檎『スカラ座』(ふらんす堂、2019年)
  2. 神保町に銀漢亭があったころ【第41回】矢野玲奈
  3. 倉田有希の「写真と俳句チャレンジ」【第6回】
  4. 万緑やご飯のあとのまたご飯 宮本佳世乃【季語=万緑(夏)】
  5. 神は死んだプールの底の白い線  高柳克弘【季語=プール(夏)】
  6. 手袋を出て母の手となりにけり 仲寒蟬【季語=手袋(冬)】
  7. あしかびの沖に御堂の潤み立つ しなだしん【季語=蘆牙(春)】
  8. 神保町に銀漢亭があったころ【第57回】卓田謙一
  9. 【秋の季語】蕎麦の花
  10. 俳人・広渡敬雄とゆく全国・俳枕の旅【第34回】鎌倉と星野立子
PAGE TOP