季語・歳時記

【春の季語】霞

【春の季語=三春(2月〜4月)】霞

乾燥していた冬から春に移り変わっていくにつれ、空気中に含まれる水分量も増えてくる。それにともなって、山や草などの姿がぼんやりと薄れて、のどかな春の景色となっていく。また、同じ現象を、春の夜は「」とよびわける。

肌寒い秋に見られるのは「」であり、こちらは秋の季語。冬の霞は「冬霞」である。

」や「」が気象用語として使われているのに対し、「」は使われていない。

なお、「初霞」は新年の季語である。〈初霞山がものいふ国ぞよき〉(矢島渚男)。


【霞(上五)】
霞みけり山消え失せて塔一つ 正岡子規
棚霞キリンの頸も骨七つ 星野恒彦
霞みつつ疫がしづかな街を得る 竹岡一郎

【霞(中七)】
榛名山大霞して真昼かな 村上鬼城
一すじの霞ながれて嶋遠し 若山牧水
大阿蘇の霞の端に遊びけり 藤崎久を
煎餅割つて霞の端に友とをり 藤田湘子
鍵を抜き霞をたどる旅へゆく 鴇田智哉

【霞(下五)】
何処やらに鶴の声聞く霞かな 井上井月
坂がかり動かぬ馬の霞まれて 臼田亜浪
白浪を一度かゝげぬ海霞 芝不器男
準急のしばらくとまる霞かな 原田暹
畦走り込みたる山の霞みけり 蓬田紀枝子


【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】



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