【都道府県別の俳句】

【都道府県別の俳句】

このページでは、都道府県にまつわる佳句を集めています。

(都道府県名または都市名が入っている句が対象です)

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*なお自薦は、対象外とさせていただきます。

(最終更新日 2021年7月29日)


<北海道・東北> 

【北海道】

すすきのの新宿横丁十二月 鈴木のぶ子
函館へ箱館からの雪が降る 船矢深雪

【青森】

みちのくの淋代の浜若布寄す 山口青邨

【岩手】

【秋田】

羽の国のきりたんぽ可し地酒亦 大橋一郎

【宮城】

蛟龍よ塩竈の月とくと見よ 佐藤鬼房

【山形】

五月雨を集めてはやし最上川 松尾芭蕉
青鷺の真中に下りる最上川 中西舗土

【福島】(「福島忌」は除く)

みちのくの伊達の郡の春田かな 富安風生

<関東>

【東京】

五月雨や上野の山も見あきたり 正岡子規
セルを着て遊びにゆくや東京へ 松本たかし
東京にでなくていい日鷦鷯 久保田万太郎
大寒の東京駅に人を待つ 鈴木しづ子
東京は暗し右手に寒卵 藤田湘子
目刺し焼くここ東京のド真中 鈴木真砂女
東京を一日歩き諸葛菜 和田悟朗
冬霞にしづみし外資系東京 大牧広
東京に子猫のような余震来る 渡辺誠一郎
江戸の空東京の空秋刀魚買ふ 攝津幸彦
新宿ははるかなる墓碑鳥渡 福永耕二
新宿のノエルのたたみいわしかな 池田澄子
桜蘂降る東京は坂だらけ 今井肖子
夕焼や新宿の街棒立ちに 奥坂まや
新宿や冬夕焼のすぐさめて 石田郷子
東京がじつとしてゐる初景色 黛まどか
新宿の町外れなる時計草 岸本尚毅
東京に亀鳴くといふ日向かな 田中裕明
東京都多摩市啄木鳥来てつつく 橋本直
西日暮里から稲妻みえている健康 田島健一
東京の空を重しと鳥帰る 篠崎央子

【千葉】

夏草や野島ヶ崎は波ばかり 中村草田男

【埼玉】

曼珠沙華どれも腹出し秩父の子 金子兜太
南浦和のダリヤを仮りのあはれとす 攝津幸彦
どこまでも秩父往還麦の秋 岩淵喜代子

【神奈川】

横浜の阜頭の崩れや時鳥 正岡子規
夕月を見に横浜へ汽船を見に 京極杞陽
横浜の青き市電にものわすれ 渡邊白泉
次に著く駅は横浜春の雲 星野立子
横浜に焼売買へり寒の雨 石塚友二
かの秋の横浜沖を真悲しむ 三橋敏雄
横浜の狸なりしが轢死せり 藤田湘子
衣更して横浜に来てをりぬ 今井杏太郎
横浜の空の上澄み冬雲雀 鷹羽狩行
横浜の陳さん李さん初笑ひ 角川春樹

【群馬】

新潟に近くて雪の群馬かな 生駒大祐

【栃木】

栃木にいろいろ雨のたましいもいたり 阿部完市
見たことも来たこともなき宇都宮 筑紫磐井
栃木かな春の焚火を七つ見て 西村麒麟

【茨城】

<中部地方>

【山梨】
炎天を山梨にいま来てをりて 千原草之
かたつむり甲斐も信濃も雨のなか 飯田龍太

【新潟】

あら海や佐渡によこたふ天河 松尾芭蕉
この秋思五合庵よりつききたる 上田五千石
罪無くも流されたしや佐渡の月  ドナルド・キーン
新潟に近くて雪の群馬かな 生駒大祐

【石川】

渚にて金沢のこと菊のこと 田中裕明
金沢の雪解け水を見て帰る 西村麒麟
金沢の見るべきは見て燗熱し 西村麒麟

【富山】

【福井】

【長野】

紫陽花に秋冷いたる信濃かな 杉田久女
信濃全山十一月の月照らす 桂信子
かたつむり甲斐も信濃も雨のなか 飯田龍太
鞦韆を大きく漕いで青信濃 加藤青女
雁立ちの目隠し雪や信濃川 石原八束
青信濃鐘鳴るときも踏切越す 友岡子郷
雪の日の美濃も信濃もなく暮れぬ 大串章
夕刊のなき信州の大夕焼 茨木和生
みすずかる信濃は大き蛍籠 伊藤伊那男
大雪の岸ともりたる信濃川 長谷川櫂
信濃いま触れ合ふ音のみな新樹 甲斐由紀子
燕来る縦に大きな信濃かな 西村麒麟

【岐阜】

炎天より僧ひとり乗り岐阜羽島 森 澄雄
昼の僧白桃を抱き飛騨川上 金子兜太
白川村夕霧すでに湖底めく 能村登四郎
飛騨涼し北指して川流れをり 大野林火
信長の喰ひ残したる美濃の柿 角川春樹

【静岡】

梅若菜まりこの宿のとろろ汁 松尾芭蕉
駿河路や花橘も茶の匂ひ 松尾芭蕉
五月雨の空吹きおとせ大井川 松尾芭蕉
五月雨の大井越したるかしこさよ 与謝蕪村
水に日のある日や秋の大井川 大江丸
菜の花のとつぱづれなり富士の山 小林一茶

【愛知】

鷹ひとつ見付けてうれし伊良湖崎  松尾芭蕉
万歳の三河の国へ帰省かな 富安風生
菜の花や名古屋の城のよく見ゆる 鈴木花蓑
げんげ田のつづきて名古屋近きかな 久保田万太郎
岡崎城川をへだてて味噌仕込む 伊藤敬子

<近畿地方>

【三重】

【滋賀】

辛崎の松は花より朧にて 松尾芭蕉
五月雨に隠れぬものや瀬田の橋 松尾芭蕉
そのままよ月もたのまじ伊吹山 松尾芭蕉
行く春を近江の人と惜しみける 松尾芭蕉
錠明けて月さし入れよ浮御堂 松尾芭蕉
月遠き近江の宿の夜食かな 飯田蛇笏
すぎてゆく膳所も大津も夏まつり 下田実花
鯖鮨に雨うつくしき近江かな 皆川盤水
後ずさりして近江より西日去る 鷹羽狩行
はるかひとりの近江の雨意の単線の 阿部完市
あかねさす近江の国の飾臼 有馬朗人
春三日月近江は大き闇を持つ 鍵和田秞子
春塵の近江に貨車を放ちけり 斉藤夏風
鳥帰る近江に白き皿重ね 柿本多映
赤蕪の百貫の艶近江より 大石悦子
淡海といふ水の器を鳥渡る 齋藤愼爾
朝刊に雪の匂ひす近江かな 田中裕明
さきほどの鷹のおもかげ小谷山 名本喜美
あふみのうみいろありやなしひなあられ 恩田侑布子
初御空みづのあふみの揺るぎなし 明隅礼子

【京都】

京都駅下車迷はずに鱧の皮 川崎展宏
塔見えてくれば京都や花の旅 星野椿
京の路地一つ魔界へ夕薄暑 伊藤伊那男
かまいたち京都にまぼろしを殖やす 田島健一

【大阪】

城頭に大阪を観る霞かな 青木月斗
大阪に三日月あがり日短かし 前田普羅
大阪はこのへん柳散るところ 後藤夜半
大阪の冬日やビルにひつかかり 京極杞陽
大阪の屋根の歪みも大暑かな 桂信子
大阪の煙おそろし和布売 阿波野青畝
うろこ雲大阪生れ奈良育ち 津田清子
大阪は日差に蒸せて鱧の皮 茨木和生
春風の大阪湾に足垂らす 坪内稔典
大阪や坐ればすぐに集まる蚊 山口昭男
おほさかの隅の隅なる菜の花忌 小池康生

【兵庫】

ベレーはみ出る白鬢 神戸でなら死にたい 伊丹三樹彦

【奈良】

菊の香や奈良には古き仏たち 松尾芭蕉
菊の香や奈良は幾世の男ぶり 松尾芭蕉
なつかしき奈良の隣の一時雨 河合曾良
すゝ掃の埃かつぐや奈良の鹿  炭太祇
春雨やゆるい下駄借す奈良の宿 与謝蕪村
何となく奈良なつかしや古暦 正岡子規
しくるゝや奈良は千年二千年 正岡子規
鹿聞いて淋しき奈良の宿屋哉 正岡子規
月は西へ、山は川は奈良へかたむく 荻原井泉水
御堂一つ柳一本奈良である春である 荻原井泉水
青丹よし奈良の都の墨雛 阿波野青畝
瀬に沁みて奈良までとどく蝉のこゑ 山口誓子
うろこ雲大阪生れ奈良育ち 津田清子
まくなぎに負けて逃げ出す奈良公園 右城暮石
白桃に奈良の闇より薮蚊来る 沢木欣一
修二会の奈良に夜来る水のごと 角川源義
新月や奈良の泊りの阿修羅恋ひ 佐藤鬼房
奈良へ来て鹿の子と遊ぶ一日かな 高浜年尾
奈良へ来て秋の真中に佇めり 後藤比奈夫
奈良ホテル深く灯ともり冬の雨 鷲谷七菜子
あをによし奈良の一夜の菖蒲酒 深見けん二
末黒とはなりたる奈良の野の名残 千原叡子
斑鳩や良夜の塔のまぎれなし 角川春樹
右は奈良左は奈落さくらがり 中原道夫
水吸へるアヲスヂアゲハ奈良の秋 小澤實

【和歌山】

<中国地方>

【鳥取】

【島根】

【岡山】

【広島】(「広島忌」は除く)

広島や卵食ふ時口ひらく 西東三鬼
広島に老人生ず秋の暮 三橋敏雄
八月広島もちの木はふと暗し 友岡子郷
かの秋も広島の川澄みたるか 後藤章
夕焼雲尾道は今鐘の中 西村麒麟

【山口】

<四国地方>

【愛媛】

【香川】

潮鳴りの高き鳴門や鷹柱 木村良昭

【徳島】

【高知】

萱草に立つ浪音や桂浜 高木晴子

<九州地方>

【福岡】

走り茶と出す八女よりと言い添えて 寺井谷子

【佐賀】

寒菊や風の中なる鏡山 石原八束
窯元に唐津くんちの客が満つ 児玉幸枝

【長崎】(「長崎忌」は除く)

首灼いて長崎の日の刻を待つ 高島茂
耕して天にのぼるか対州馬 角川源義
長崎も丸山にゐて豆御飯 有馬朗人
長崎に夜も崩れぬ夏の雲 宇多喜代子

【大分】

【宮崎】

【鹿児島】

【熊本】

【沖縄】(「沖縄忌」は除く)

汗をかき沖縄戦を学びけり 大住映樹



【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】

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