【春の季語】蜂

【春の季語=晩春(4月)】蜂

蜂は寒さに弱いので、あたかかくなってくる3月、4月ごろから活動をはじめる。

木や森に「蜂の巣」がついていることをふと見かけることも増えてくる。

蜂にはアシナガバチやスズメバチなど、いろいろあるが、やはり最も春らしさを感じるのは、花から花へ蜜を集めてまわる「蜜蜂」でせう。


【蜂(上五)】
蜂の尻ふわふわと針をさめけり 川端茅舎
熊蜂の羽音の守る隠れ里 森濱直之

【蜂(中七)】
てのひらに蜂を歩ませ歓喜仏  三橋鷹女
白壁に蜂つきあたりつつ入日 桂信子
足垂らす蜂と親しき時しばし 桂信子
やすむ間も足長蜂の足ぢから 澁谷道
篁に蜂あつまりて濃うなりぬ 堀下翔

【蜂(下五)】
実朝の墓の暗きに残る蜂 大和田アルミ

【蜂(その他)】
呪われてあり少女の顔へ蝶や蜂や 金子兜太

【ほかの季語と】
われ蜂となり向日葵の中にゐる 野見山朱鳥
手の薔薇に蜂来れば我王の如し 中村草田男




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