【春の季語】春の雲

【春の季語(三春=2月〜4月)】春の雲

春は天気の移り変わりが激しい季節だが、代表的なもののひとつは、空の広い範囲を覆う「高層雲」。これが「花曇」や「朧夜」のような状態をつくりだす。夏の「雲の峰」や秋の「鱗雲」とは異なって、うっすらとした雲が春らしさを感じさせることが多い。


【春の雲(上五)】
春の雲弓はしづかに弱りけり 広渡敬雄

【春の雲(中七)】
雲をみてをり春の雲ばかりかな 今井杏太郎

【春の雲(下五)】
大利根にほどけそめたる春の雲 安東次男
田に人のゐるやすらぎに春の雲 宇佐美魚目
寄り合つて散らばり合つて春の雲 黛執
予告編のやうに川面を春の雲 今井聖




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