【新年の季語(1月)】初鏡
新年になって初めて鏡に向かって化粧すること。またはその鏡そのもの。
【初鏡(上五)】
初鏡いくさは去年のこととなりぬ 日野草城
初鏡に映らぬものを愛しめる 山田露結
初鏡一本の松深くあり 曾根毅
初鏡一句欲してゐたりけり 西村麒麟
【初鏡(中七)】
ほのぼのと初鏡より明けにけり 日野草城
【初鏡(下五)】
若かりし妻若からず初鏡 日野草城
やゝ紅の濃ゆしと思ふ初鏡 田畑美穂女
大いなるものは映さず初鏡 宮谷昌代
「あ」と言えば「あ」と返したる初鏡 津田このみ
臨月のはみ出してゐる初鏡 堀切克洋