
【冬の季語=初冬(11月)】初時雨
冬になって最初の「時雨」のこと。芭蕉の〈初しぐれ猿も小蓑をほしげなり〉など、昔から詠まれてきた。
【初時雨(上五)】
初時雨からおもひ立首途哉 井上井月
初時雨これより心定まりぬ 高浜虚子
初時雨人なつかしく待ちにけり 星野立子
初しぐれ病む身がおもふ人の上 石川桂郎
初しぐれ鳩は胸より歩き出す 久留島春子
【初時雨(中七)】
【初時雨(下五)】
絶壁に吹き返へさるる初時雨 前田普羅
一本の川より三河初しぐれ 宇佐美魚目
たのしくてならぬ雀ら初しぐれ 坂本謙二
共にゐてさみしき獣初しぐれ 中町とおと