
ふらここや幼馴染と揺れ揃ふ
阪西敦子
7歳から「ホトトギス」の児童・生徒の部に投句を始めていたという阪西敦子さんとは句歴はまったく違いますが同い年です。縁あって、月に一度日本橋界隈で働く人が集う句会にもお誘いいただき、仲良くさせて頂いております。
句歴に実力、活躍のフィールドを鑑みると、本来であれば、敦子先生と呼ばなくてはいけないお人ですが、同年代ということでついつい親しげに懐いてしまう私。(たぶん)それを許してくれる敦子さん。
団塊、バブル、新人類、氷河期、ゆとり、Z世代…世代をカテゴライズして固定概念でくくることはよろしくないと思いつつ、やはり同年代・同世代だからこそ共有できることは多くあります。私たちは「昭和最後の小学生」で、「世紀末の女子高生」で「新世紀最初の社会人」です。この言い方、「氷河期世代」という言葉が内包する絶望感を少し忘れられて‘最強感’があって気に入っています。
掲句は「金魚」(ふらんす堂2024年刊)より。
大人になった幼馴染二人がぶらんこに並んで漕いでいる。お酒を飲んだ後かも知れない。ぶらんこに腰かけているだけでなく、子どものころと同じように漕いでしまうのは、やはり気心の知れた幼馴染といるときだから。
子どものころとは違う話題で、一緒に笑って、一緒に怒って、一緒に悩んで。揺れが揃ったぶらんこに現れるふたりの心の一体感。
同い年の敦子さん。俳句が大好きな敦子さん。作者に寄り添った優しい句評をされる敦子さん。笑顔が素敵な敦子さん。お酒も大好きな敦子さん。これからも俳句の世界で、同世代としてふらここふらここと一緒に揺れさせてください。
(白井飛露)

【執筆者プロフィール】
白井飛露(しらい・ひろ) (本名・聡子)
1977年、千葉県野田市生まれ。流山市在住。2010年「かぞの会」参加、2012年「大倉句会」参加。「玉藻」「銀漢」同人。俳人協会会員。
旅行雑誌の編集プロダクション、ゴルフ雑誌出版社勤務などを経て、(株)ウインダムにて展覧会や美術展のPRに携わる。一般社団法人10000日記念日代表。
2025年11月に初句集『輪郭』(朔出版)上梓。