【秋の季語=晩秋(10月)】猪
豚の原種で、山鯨と言われるほど美味。主食である木の実は秋のはじめごろから地面に落ちはじめるが、落ちたばかりの若い状態だと甘味が薄く、美味しくない。刺身や猪鍋として食すが、「猪鍋」は冬の季語に分類される。
時に田畑の作物を食い荒らし農村に被害をもたらす。歴史的仮名遣いだと「ゐのしし」。
「猪垣」は侵入を防ぐために山と農地の間などに築かれた垣根や石垣、土塁のこと。「瓜坊」は猪の子供のことである。
【猪(上五)】
猪の跡たづねる裾をむらさきに 飯島晴子
猪を割く二人の二言三言かな 宇多喜代子
【猪(中七)】
鼻折れて猪なほもぶつかり来 恩田侑布子
【猪(下五)】
あの山の向うの山の猪猟師 宇多喜代子
吊るされて地面に近き猪の鼻 森田智子