笠原小百合の「競馬的名句アルバム」【番外編】ウマ吟行会東京競馬場吟行記

2025年6月7日、土曜日。
「風薫る東京競馬場吟行」と題し、東京都府中市にある東京競馬場を俳句仲間と訪ねた。

「馬のいる所へ吟行に出かけよう」という主旨で「ウマ吟行会」を不定期で開催している。
今まで訪れたのは競馬場(東京、中山、福島、金沢、浦和)、馬事公苑、相馬野馬追、チャグチャグ馬コ、浅草流鏑馬など。
馬に会うための吟行は馬好きである主催者の私欲に満ちたものなのだが、お付き合い下さる方々に少しでも喜んでいただけるように、馬という存在の素晴らしさを一人でも多くの方に伝えるために、しおりを作成するなど事前準備から自然と気合が入る。

午前11時に京王線の府中競馬正門前駅に集合。
今回は6名で吟行がスタートする。

(集合は黄金に輝く馬像の近く)

東京競馬場へ入場するとまず向かったのはパドック。
レース前の競走馬が人に曳かれながら歩いて周回する下見所だ。
間近に競走馬を見られるチャンスで、馬体の美しさに見惚れるもよし、迫力に圧倒されるもよし、目が合ったと喜ぶもよしと楽しみ方は人それぞれ。
私はみなさんの様子を気にしつつ、馬の尻を夢中に目で追っていた。
競走馬の好きなパーツを一つ挙げろと言われたら迷うことなく「尻」だと答えられるくらいには、私は馬の尻が好きだ。

(パドックの様子)

「止まれ」の合図で馬が歩みを止め、騎手が騎乗してパドックから去るのを確認してから、私たちもスタンドへ移動。
そこで待ち受けていたのは、東京競馬場の広い空。
そしてつい先ほどパドックで眺めていた競走馬たち。
パドックから地下馬道を通って移動し、本馬場入場が行われている。

(スタンドを抜けると広いターフと青空)

返し馬が終わり、誘導馬たちが帰って来るのを見届ける。
私は東京競馬場の誘導馬であるミライヘノツバサの現役時代からのファンで、今回もツバサの仕事ぶりを見ることが出来て感激だった。

(手前、すっかり白くなったミライヘノツバサ号)

いよいよ、私たちが見る最初のレースが始まる。
ゴールの位置、どちらから馬が走って来るかなどを確認し、ファンファーレを聞く。

最後の直線を駆け抜ける馬群の勢いと地響きのような蹄音。
あっという間に目の前を過ぎていく競走馬たち。
懸命に追う騎手の姿勢、鞭の音。
スタンドから押し寄せるような大歓声。
競馬場は初めてという人にはどのように感じられたのだろうか。
それが俳句として後ほど形になるかもしれないと思うと、わくわくが止まらない。

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