鱗kokeraだより【2025年1月の鱗kokera】

2022年7月、東京・荻窪にオープンした鱗kokeraは、
俳句を愛する皆さんが集う「俳人たちの部室」。
思い思いに楽しむ皆さんのご様子を
毎月お裾分けさせていただきます。
↓↓↓
◆2025年1月の鱗kokera


① 1/16(木)ふつうの句会

「炎環」「オルガン」「豆の木」でおなじみの宮本佳世乃さんが不定期で開催されている「ふつうの句会」。今回は総勢13名の句会となりました。

佳世乃さんをはじめとして本当なら謝礼を出さねばならない方も複数いらっしゃいましたが、どなたも快く参加してくださるオトクな句会です。とても面白い句が多く、鑑賞の仕方、句を見るポイントなどについても大変勉強になりました。次回は3月25日㈫開催予定です。

ふつうの句会の様子
句会後の一枚

② 1/17(金)Cosmos句会

昨夏、句集『水の音』を上梓された高橋透水さんを中心とした「Cosmos句会」。毎月第3金曜日の15時から当店で句会を開かれています。最初は3~4名でしたが、最近は7名の句会となり、和気あいあい、活発に意見交換なさっています。
句会のあとはおつまみをお出しして懇親会。この日は寒かったので皆さん焼酎のお湯割りを楽しまれていました。お食事はきりたんぽ鍋が好評でした。

Cosmos句会の皆さん

③ 1/17(金)袋回しナイト

毎月第2金曜日に開かれる袋回しナイト。「どこでも袋回し®」と名づけられた袋回しセットの作り手・「蒼海」の久實さんが、高校時代に袋回しで鍛錬し、俳句甲子園で2回優勝したうちのバイトの荒川力也さんをスカウトしてスタートしました。(※この日は新年のため第3金曜の開催)

最近の募集人数は9名。これに力也さんと久實さんを加えた11名がまずは封筒に題を書いた袋回しで一巡目。制限時間は1分ずつ。皆さんすごい勢いで句を書いていきます。

袋回しの手元

さらに写真による季語の袋回しで二巡目となります。これがいつも難しい……。
この日の季語はこちらの写真の9つ。正解できますか!?答えはこの記事の最後に載せます。

季語の写真

袋回しが終わりに近づいた頃、愛媛は松山からお客様が!近藤幽慶さん、ちょうど百年俳句賞でお互い注目していたという内野義悠さんがいらして、感動の初対面でした。

幽慶さんを囲んで一枚

力也さんは全句に目を通して、天・地・人を決めます。大量の句を前に真剣な表情……。

力也さん横顔

見事、力也さんの天をゲットした方には久實さん特製の袋回しセットが贈られます。ご興味ある方は鱗kokeraか久實さんか力也さんにお問い合わせください。

袋回しセット

◆鱗kokeraのイベント紹介
「荻窪吟行」

2月11日(火祝)14時から角川庭園などで吟行します。今のところ参加者は店主を含む6名。詳細はまだ特に決めていません。何も強制するようなことはありませんので、「この日空いてるなぁ」「久々に吟行したいな」「とにかく吟行したい!」という方はぜひお気軽にご参加ください。

鱗kokera 連絡先
LINE ID chatori1969
Xアカウント https://x.com/kokera07839729
メールアドレス nomurakaori.ad@gmail.com

◆鱗kokera Q&A
Q 荻窪の吟行でオススメの場所は?

A 
三庭園(角川庭園・大田黒公園・荻外荘)
安心の三庭園。俳人好みの植物や景を見たいならこちらへ。
角川庭園には芭蕉や茶の花など渋めの季節の花が必ず咲いています。私は雪の日にひとりで水琴窟そばに雪だるまを作って帰ったことがあります。邸宅内では各種句会が開かれていて、まっさらな雪に足跡をつけまくる私が中から丸見えだったと思うのですが、誰もこちらに気づかず、句会に集中されていました!
大田黒公園には広々とした池やマホガニー製のスタインウェイのあるおしゃれな邸宅があります。私は行くたびに(たとえ一人でも)鯉にえさをあげています!
荻外荘は復元整備された近衛文麿邸宅で、設計は伊東忠太です。こちらは最近公開されたばかりなので、私も未訪問です。

杉並中央図書館&読書の森公園
2020年にリニューアルした図書館。オープンカフェのようなスペースもあり、これからの季節、とてもオススメ。隣の公園では季節の花や虫が見られます。真夏につんざくような蝉の声がして「何事!?」と思ったら、蟷螂に生きながら食べられていました!(けっこう衝撃的な映像でいまだに句にできていません)。というふうに、小さいのに自然にあふれた公園です。
暑かったり寒かったりしたら図書館に入ればよいし、図書館なので辞書も歳時記も持って来なくてもよいし、1階には軽食の取れるカフェもあるし、かなりオススメの吟行場所です。

与謝野公園
ちょっと歩きますが、与謝野晶子が最後に暮らした家の跡地が公園になっていて、晶子と鉄幹の歌碑がたくさんあります。いつ行っても誰もいないので、のーんびりできます。近くを通る善福寺川には鷺やセキレイなどがいます。

弁天池公園
店から5分ほど。池や花木や遊具のほか、敷地内に郷土博物館分館があり、昔を偲ぶパネルが展示されていたりします。ここのベンチで句を作っていたところ、足に異変を感じ、見ると、黒っぽいよく分からないデカい芋虫?が私のショートブーツの中に入ろうとしていたことがあります!声も出せずにショートブーツを脱いで投げ飛ばして虫を落して事なきを得ました。(※画像検索したところ、何とか言う蛾の幼虫でした)

教会通り
当店も教会通りの一店舗です。大正時代から存在する商店街で、井伏鱒二や太宰治も歩いていたと言われています。古いクリーニング店やコロッケ屋さん、4軒のラーメン屋さん、定食屋さん、教会などがあり、歩いていて楽しいです。

このほか、バスを使えば善福寺公園もありますし、井の頭公園のある吉祥寺駅からは快速でひと駅と、荻窪は吟行場所に恵まれています。都心と違って人が少なく、花や虫も目にすることができ、フラットな地形なので移動もラクです。暗渠や歴史ある喫茶店などちょっとdeepなスポットも。ぜひみなさん荻窪に遊びに来てください!

※鱗kokeraへの質問を募集しています。店主のXアカウントのDM、またはメールでお寄せください。頂いたご質問の採否についてはこちらにお任せください。
Xアカウント https://x.com/kokera07839729
メールアドレス nomurakaori.ad@gmail.com

季語クイズの答え:
(1段目左から)スケート 成人式 鰭酒
(2段目左から)砕氷船 花アロエ 千両
(3段目左から)万両 青木の実 蠟梅


【執筆者プロフィール】

鱗kokera:荻窪駅から徒歩3分、俳人さんたちのための飲食店。
杉並区天沼3-3-11の2階
店主:野村茶鳥…1969年、長崎市生まれ。「南風」「麒麟」所属。俳人協会会員。@kokera07839729

鱗ウェブサイト:https://r.goope.jp/kokera/
お問い合わせ先:https://r.goope.jp/kokera/contact


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