【秋の季語=初秋(8月)】葛
葛は、マメ科のツル植物で、日当たりのよい山野に育ち、初秋に赤紫色の花をつける。
「葛の花」は「秋の七草」のひとつとして秋の季語であるが、旺盛な生命力にて縦横に伸びてゆく蔓や、裏が白っぽいために和歌で「恨み」(=裏見)とかけて詠まれてきた「葛の葉」もまた、秋の季語として詠まれる。
葛を吹きつける強い風のことを「葛嵐」と呼ぶ。
【葛(上五)】
葛の雨鶴溜駅しぶきけり 石田波郷
【葛(中七)】
松原の葛とよまれし住ゐかな 支考
迢空の葛踏みしだく砂熱し 山田みづえ
ぬかるみか葛かわからぬものを踏む 板倉ケンタ
【葛(下五)】
【ほかの季語と】
邯鄲や風の葉音は葛ばかり 水原秋櫻子