
【秋の季語=初秋(9月)】棗の実(棗)
ナツメ(棗)は、クロウメモドキ科の落葉小高木。和名は夏に入って芽が出ること(夏芽)に由来する。中国植物名(漢名)は、棗(そう)。英語ではチャイニーズ・デーツ=Chinese date(中国のナツメヤシ)という。「棗の花」は夏の季語。日本への渡来は奈良時代以前とされ、6世紀後半の遺跡から果実の核が出土している。


【棗(上五)】
長い棗円い棗も熟しけり 河東碧梧桐
熟れ棗風が磨きてゆきし艶 細見綾子
棗よく生りしを褒めて館守 藤田湘子
棗とは思ふかすかな雨の奥 岩田奎
【棗(中七)】
祇園の鴉愚庵の棗くひに來る 正岡子規
落ち来る棗の小枝ゆるやかに 高野素十
竿をもて棗をたゝく巡査かな 高野素十
【棗(下五)】
人やがて木に登りもぐ棗かな 杉田久女
よき色を虫が染めゐる棗の実 右城暮石
朝門出の北京灼けそむ棗粥 松崎鉄之介
墓多き河口の村に熟れ棗 飴山實
【その他の季語と】
秋風や夢の如くに棗の実 石田波郷