【新年の季語(1月)】松飾
【ミニ解説】
「正月」に門前などに立てられる松や竹を用いた正月飾りのこと。
「松飾り」と「り」を送る場合も多い。動詞で「松飾る」と使うこともある。
「門松」「飾り松」「立て松」とも。
古くは、木の梢に神が宿ると考えられていたことから、門松は年神を家に迎え入れるための依り代という意味合いがある。「松は千歳を契り、竹は万歳を契る」と言われ、松と竹で神の依代の永遠を願う。
門松を飾っている期間のことを「松の内」、それを過ぎると「松過」となる。
門松を片付けることを「松納」とよぶ。
【松飾(上五)】
松飾しんしん青し兵に書く 三橋鷹女
松飾その他も略すつねのこと 石塚友二
松飾り小ぶりよ海女の消えし戸に 鍵和田秞子
【松飾(中七)】
【松飾(下五)】
幾霜に心ばせをの松かざり 芭蕉
呉竹の根岸の里や松飾り 正岡子規
大いなる門のみ残り松飾り 高濱虚子
ふりいでし雪の中なる松飾 久保田万太郎
雪ふかくヒユツテの戸あり松飾 水原秋櫻子
母の無き仔馬柱に松飾り 中村草田男
一人子と閑かに住めり松飾 日野草城
行きずりの日の懐かしさ松飾 林田紀音夫
吹かれゐし白魚舟の松飾 斎藤夏風
流寓にして大ぶりの松飾り 鷹羽狩行
あをあをと門の間や松飾 中西亮太