夏の季語

【夏の季語】夏至

太陽黄経が90度のときで6月20日、21日ごろ。

二十四節気の第10番目にあたり、北半球ではこの日が1年のうちで最も昼(日の出から日没まで)の時間が長くなる。南半球では逆に、北半球の夏至の日に最も昼の時間が短くなる。

日本においては旧暦の5月に必ず含まれることになっていた。「梅雨」の最中である。

逆に1年のうちで最も昼の時間が短くなる日は「冬至」。


【夏至(上五)】
夏至白夜濤たちしらむ漁港かな 飯田蛇笏
夏至の日のオペラグラスに嘆きの場  菊田一平

【夏至(中七)】
ぼんやりと夏至を過せり脹脛 佐藤鬼房
子ら失せて夏至の夕日がいつまでも 三浦亜紀子

【夏至(下五)】
地下鉄にかすかな峠ありて夏至 正木ゆう子
エッシャーの階段降りつ昇りつ夏至 有澤榠樝
水槽に殻脱ぐ蝦も雨の夏至 若林哲哉

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 【卵の俳句】
  2. 【新年の季語】七種(七草)
  3. 【冬の季語】夕霧忌
  4. 【春の季語】虚子忌(虚子の忌)
  5. 【新年の季語】初夢
  6. 【春の季語】野遊
  7. 【春の季語】復活祭
  8. 【春の季語】花粉症

おすすめ記事

  1. 【イベントのご案内】第4回 本の作り手と読む読書会 ~漢詩の〈型〉を旅する夜~
  2. 神保町に銀漢亭があったころ【第124回】髙坂小太郎
  3. 【連載】新しい短歌をさがして【11】服部崇
  4. 夕餉まで少し間のあり額の花 片山由美子【季語=額の花(夏)】
  5. 雲の上に綾蝶舞い雷鳴す 石牟礼道子【季語=雷鳴(夏)】
  6. 【秋の季語】葛の花
  7. 【夏の季語】梅雨に入る
  8. 軽き咳して夏葱の刻を過ぐ 飯島晴子【季語=夏葱(夏)】
  9. 【書評】小島健 第4句集『山河健在』(角川書店、2020年)
  10. 雪が来るうさぎの耳とうさぎの目 青柳志解樹【季語=雪(冬)】

Pickup記事

  1. 【#44】写真の不思議
  2. 浅春の岸辺は龍の匂ひせる 対中いずみ【季語=亀浅春(春)】
  3. 凩の会場へ行く燕尾服  中田美子【季語=凩(冬)】
  4. 蓑虫の揺れる父性のやうな風  小泉瀬衣子【季語=蓑虫(秋)】
  5. 太宰忌や誰が喀啖の青みどろ 堀井春一郎【季語=太宰忌(夏)】
  6. 神保町に銀漢亭があったころ【第127回】鳥居真里子
  7. 「野崎海芋のたべる歳時記」ガレット・デ・ロワ
  8. 天狼やアインシュタインの世紀果つ 有馬朗人【季語=天狼(冬)】
  9. 【春の季語】石鹸玉
  10. 湯の中にパスタのひらく花曇 森賀まり【季語=花曇(春)】
PAGE TOP