【冬の季語】聖菓

【冬の季語=仲冬(12月)】聖菓

【ミニ解説】

「クリスマスケーキ」のこと。


【聖菓(上五)】
聖菓ありコーヒーに糖入れずとも 阿波野青畝
聖菓のてっぺん 舐めて 青春みじかすぎる 伊丹公子
聖菓切るためにサンタをつまみ出す 松浦敬親
聖菓切る五人家族はやつかいな 伊藤伊那男
聖菓切り分く神棚に仏壇に 堀切克洋
聖菓切るフォーク輝かせて都民 野口る理

【聖菓(中七)】
ナイフなほ聖菓の中に動きをり 山口波津女
窓ありて聖菓の家の真暗がり 秋元不死男
家計簿にはさむ聖菓の予約票 大島民郎
小窓より覗く聖菓の家の中 辻田克巳
天井に聖菓の甘き火が映る 鷹羽狩行
蝋涙をあやまつ聖菓塔上に 鷹羽狩行
薄く切る聖菓に薄く載る果実 野口る理

【聖菓(下五)】
九十有二歳の吾も聖菓欲る 阿波野青畝


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