【春の季語】春眠

【春の季語=仲春ー晩春(3ー4月)】春眠

中学校でも習う、孟浩然の漢詩の一節「春眠暁を覚えず、処処啼鳥を聞く」に由来。

あたたかな春の朝は、いつまでも眠っていられそう。「春眠す」と動詞として用いられることもたまにあり、また「春眠し」とも。

朝寝」もまた春の季語。


【春眠(上五)】
春眠の身の閂を皆外し 上野泰
春眠とあらず小さくなり給ふ 小林康治
春眠のなかぬけてゆくしつけ糸 八田木枯
春眠の覚めて九十七となり 深見けん二
春眠の底の底より電話鳴る 三村純也
春眠の大きな穴に入るごとし 岩淵喜代子
春眠の湖底につながれた鎖  近 恵

【春眠(中七)】
玉のせるかに春眠の童の手 上野泰
膝折つて又春眠に入りにけり 岸田稚魚
頭はどこにある春眠のにしきへび 辻田克巳
胸に抱く子と春眠をわかちあふ 堀切克洋

【春眠(下五)】
髪被りおのれ隠れて春眠す 長谷川秋子
足投げだし両手を捨てて春眠す  金子兜太
水音は耳に障らず春眠す 茨木和生
金色の魚を干して春眠す  神戸由紀子


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