【夏の季語】水飯

【夏の季語=晩夏(7月)】水飯

すいはん。ごはんに冷水をかけたものである。「洗い飯」とも。

お茶漬けが一般化するのは、煎茶が日本全国で流通するようになった江戸時代中期以後とされるが、それまでは乾いたごはんに冷水ないしはお湯をかけて食べていた。お湯をかける「湯漬け」に対し、冷水をかけて食すことを「水飯」と呼ぶ。

『古事類苑』飲食部(五「飯」)には、「水飯は、夏季飯を冷水に漬け、或いは乾飯を湯又は水に浸し、和げて食するを云ふ、飯を湯漬にすることは古くより有り、湯漬は強飯を用ゐず、常の飯を用ゐしなるべし」と記され、『今昔物語集』(二八ノ二三)にも「冬は湯漬、夏は水飯にて御飯を食すべきなり」と記されている。

現在でも山形県では郷土食として食べられている。


【水飯(上五)】
水飯や黙つて惚れてゐるがよき 吉田汀史
水飯の一粒立ちて泳ぐなり  石嶌岳

【水飯(中七)】
フォアグラや水飯の世は遠く去り 鷹羽狩行

【水飯(下五)】

【ほかの季語と】



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