パン・デピス
Pain d’épices
明日はクリスマスですね。
パン・デピスは、はちみつとスパイスを使った歴史の古いお菓子。十字軍によってヨーロッパに伝えられ、13世紀ごろにはブルゴーニュやアルザスをはじめ各地で作られるようになりました。伝統的なクリスマスの風情が感じられる郷土菓子です。
同様にスパイスをたっぷり使うホットワインも、クリスマス市などで売られているおなじみの風物詩。古くからシナモンやナツメグ、ジンジャーなどのスパイスには疫病を防ぐ効果があると考えられ、暗くて寒い冬の時期を乗り切るために使われてきたようです。
わたしのパン・デピスには、秋に煮ておいた新生姜のペーストを使っています。ホイップクリームやりんごのコンポートを添えてデザートにしたり、アイスクリームに添えたり。薄くスライスしたものをかりっとトーストしてフォアグラのパテをのせれば、シャンパーニュに合うおつまみにもなります。
亡きものはなし冬の星鎖をなせど 飯田龍太
季語【冬の星】【クリスマス】【聖夜】【聖菓】
*本記事は野崎海芋さんのInstagram( @kaiunozaki )より、ご本人の許可を得て、転載させていただいております。本家インスタもぜひご覧ください。
【執筆者プロフィール】
野崎 海芋(のざき・かいう)
フランス家庭料理教室を主宰。 「澤」俳句会同人、小澤實に師事。平成20年澤新人賞受賞。平成29年第一句集『浮上』上梓。俳人協会会員。