【秋の季語】角切(角伐)

【秋の季語=晩秋(10月)】角切(角伐)

奈良の春日大社の神鹿の角を切る行事のこと。

1672(寛文12)年に鹿の角による事故を防止するため、奈良奉行の溝口信勝の命によって始まった行事であるという。

「鹿」は秋になると、パートナーを求めて雄が哀愁を帯びた鳴き声を出すので、秋の季語になっている。

一方で牡鹿は、晩秋になると交尾期に入って気性が荒くなるため、柵に鹿を追い込み、勢子が追いかけて捕らえ、神官が鋸で挽く。一茶にも〈恋すてふ角切られけり奈良の鹿〉という、とてもわかりやすい句が残っている。

この行事は、明治時代の初期には一時中断しているが、中頃には春日大社の参道や境内地で再び行われるようになりました。そして1929(昭和4)年からは、現在の角きり場で開催されるようになり、現在まで古都奈良を代表する年中行事として続けられている。

「角切会」「鹿寄せ」「落し角」なども季語として使われることがある。


【角切(角伐)(上五)】
角切られ鹿は虚空を踏みにけり 山田弘子
角切の鹿苑にある静と動 酒井湧水

【角切(角伐)(中七)】

【角切(角伐)(下五)】


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