【秋の季語】月見

【秋の季語=仲秋(9月)】月見

旧暦の8月15日=「中秋の名月」=「十五夜」に「月」を鑑賞すること。

芭蕉の〈月見する坐にうつくしき顔もなし〉のように、江戸期から詠まれてきた題材。

」を飾り、月見団子を供える風習がよく知られているが、また収穫を祝うためにさまざなな作物を供えることもある。

月見草」は夏の季語。


【月見(上五)】
月見にも陰ほしがるや女子達 千代尼
月見舟くゞりし橋を渡りけり 前田普羅
月見能船の舞台にひとり舞ふ 八牧美喜子
月見酒天動説のまことかな 小林直司
月見して月の匂ひの地球の子 鶴濱節子

【月見(中七)】
船頭と月見あかしや肴きれ 高井几董
お寺より月見の芋をもらひけり 正岡子規
にくらしや月見戻りの蛇の目傘 正岡子規
祖は湖賊月見の宿も二百年 百合山羽公

【月見(下五)】
此の秋は膝に子のない月見かな 上島鬼貫
三人のふだんの友と月見かな 鈴木花蓑
仲よしの女二人の月見かな 波多野爽波
鳰ひとつ相手に池の月見かな 成田蒼虬

【自由律】
こんなよい月を一人で見て寝る 尾崎放哉

【その他】
月見寺とて蚊柱のいくすぢも 宇佐美魚目
水澄めり君なら月見うどんだらう 山田耕司

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