
【冬の季語=三冬(11-1月)】冬紅葉
「立冬」を過ぎて目につく冬の「紅葉」のこと。歴史的仮名遣いは「ふゆもみぢ」。
周辺が枯れを深めるなかの紅葉であり、冷ややかな空気のなかで色づく葉には、秋とはまた異なる感覚がある。

【冬紅葉(上五)】
冬紅葉海の夕日の差すところ 本宮哲郎
冬紅葉愛を信ずるほど老いし 鳴戸奈菜
冬紅葉紅を出て真紅 日下野由季
【冬紅葉(中七)】
【冬紅葉(下五)】
経行の蹠冷たくて冬紅葉 瀬戸内寂聴
なきがらを火の色包む冬紅葉 木附沢麦青
痩空也見し目をぬくめ冬紅葉 加古宗也
勝頼の生害石に冬紅葉 志村昌
階の軋む古城や冬紅葉 鳴戸まり子
雨あしのやがてそろひぬ冬紅葉 村上鞆彦
【ほかの季語と】
冬紅葉くらきばかりに鹿匂ふ 田中裕明