冬の季語

【冬の季語】立冬

【冬の季語=初冬(11月)】立冬

【ミニ解説】

太陽暦の11月8日ごろ、冬の最初の日。「冬に入る」「冬来たる」「冬立つ」とも。

二十四節気のひとつであり、秋分と冬至のちょうど中間点にあたる。

冬に入るとはいえ、まだまだあたたかい日もつづく。

立冬の朝のことは「今朝の冬」。


【立冬(上五)】
立冬や旅を終へ来し妻の声 野見山朱鳥
立冬のクロワッサンとゆでたまご 星野麥丘人
立冬の水族館の大なまず 星野麥丘人
立冬や闇に実のある梅擬 森澄雄
立冬の女生きいき両手に荷 岡本眸
立冬の街の真顔や山かすむ 櫻井博道
立冬の病みて眩しきものばかり 荒谷利夫
立冬や低めに締めて夜の帯 鷹羽狩行
立冬や浮き上がりさうな力石 岩淵喜代子
立冬や石まで眠る恐山 畑中とほる
立冬のきのこ会議の白熱す 中谷仁美
立冬の針はづさるる花時計 佐藤健
立冬の日の差してゐる滑り台 北大路翼
立冬や耳の奥底まで乾く 抜井諒一

【立冬(中七)】
シナモンを振り立冬の街は雨 太田うさぎ

【立冬(下五)】
蟷螂の轢き殺されしを見て立冬 澤田和弥


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 【春の季語】春泥
  2. 【夏の季語】梅雨の月
  3. 【冬の季語】冴ゆ・冴え
  4. 【冬の季語】浮寝鳥
  5. 【夏の季語】サングラス
  6. 【秋の季語】残暑
  7. 【春の季語】春分
  8. 【冬の季語】寒木

おすすめ記事

  1. 【春の季語】旧正
  2. 生垣や忘れ一葉を落し掃く   村尾公羽【季語=一葉(秋)】
  3. 嚙み合はぬ鞄のチャック鳥曇 山田牧【季語=鳥曇(春)】
  4. 【新連載】きょうのパン句。【#1】BEAVER BREAD
  5. 【春の季語】夕桜
  6. 【連載】加島正浩「震災俳句を読み直す」第5回
  7. 神保町に銀漢亭があったころ【第113回】佐古田亮介
  8. 人妻ぞいそぎんちやくに指入れて 小澤實【季語=磯巾着(春)】
  9. 一番に押す停車釦天の川 こしのゆみこ【季語=天の川 (秋)】
  10. 【読者参加型】コンゲツノハイクを読む【2023年6 月分】

Pickup記事

  1. 大年やおのづからなる梁響 芝不器男【季語=大年(冬)】
  2. 【新年の季語】元日
  3. 露地裏を夜汽車と思ふ金魚かな 攝津幸彦【季語=金魚(夏)】
  4. ハイシノミカタ【#5】「藍花」(川合牛蒡編集長)
  5. 【#28】愛媛県の岩松と小野商店
  6. 枯葉言ふ「最期とは軽いこの音さ」 林翔【季語=枯葉(冬)】
  7. 【春の季語】石鹸玉
  8. 【読者参加型】コンゲツノハイクを読む【2023年5 月分】
  9. 「野崎海芋のたべる歳時記」蒸し鶏の胡麻酢和え
  10. 黒揚羽に当てられてゐる軀かな 飯島晴子【季語=黒揚羽(夏)】
PAGE TOP