【夏の季語】芍薬

【夏の季語=初夏(5月)】芍薬

ボタン科の多年草。日本には古く中国から渡来し、薬用、観賞用に栽培されている。
小野小町の百夜通い伝説の一つに、小町を慕う深草少将に毎晩芍薬を一株ずつ通い路に植えて百株になったら契りを交わすと約束するものがある。


【芍薬(上五)】
芍薬の赤き花辯白き蕋  高野素十
芍薬の日傘に雨や業平忌  三橋鷹女
芍薬や枕の下の銭減りゆく 石田波郷
芍薬や友は富むゆゑみなやさし 山田みづえ
芍薬のうつらうつらと増えてゆく 阿部完市
芍薬に夜が来て飛騨の酒五合  藤田湘子
夜の芍薬男ばかりが衰へて 鈴木六林男
芍薬の風脱ぐやうにひらきけり 林いづみ
芍薬をぶつきらぼうに提げて来し 長谷川櫂
芍薬の蕾のどれも明日ひらく 海野良子
芍薬のたとへば婆のねむりかな 山口昭男
芍薬の蕊見え酔ひの回り初む 阪西敦子
芍薬の夢をはなれて雲平ら 生駒大祐

【芍薬(中七)】
父葬る日の芍薬は姪も剪る 岸風三楼
父の魂失せ芍薬の上に蟻 深見けん二
廊下ゆくまた芍薬の活けてある 岸本尚毅

【芍薬(下五)】

【その他の季語と】
ががんぼに芍薬白き夜なりけり 百合山羽公

【短歌】
天よりの光を容れてみじろがず新さらなる白の山芍薬の花 伊藤一彦(『光の庭』)



関連記事