【夏の季語】コレラ/コレラ船

【夏の季語(三夏=5月〜7月)】コレラ/コレラ船

代表的な経口感染症の一つで、小腸に定着・増殖したコレラ菌が作り出すコレラ毒素によって起こる急性腸炎。

日本には、インド・中国を経て、江戸時代に流入。「ころり」とも呼ばれていた。

明治時代もコレラは猛威をふるい、明治12年、明治19年にはそれぞれ死者数が10万人を超し、全国に避病院が設置された。感染しても必ずしも命にかかわるような症状が起こらず、無症状の場合も多く、重症化するのは感染した人のうち約20%とされている。

新型コロナウイルス(2020年)初期におけるダイヤモンド・プリンセス号での集団感染が問題になったが、コレラ患者が発生し、病気が治るまで上陸できない船のことをかつては「コレラ船」と呼んでいた。


【コレラ】
遠巻きにコレラの掲示読んでをり 林とくろ
感染を恐れて居れずコレラ診る 幸野梨杖
ペスト黒死病コレラは虎列刺コロナは何と 宇多喜代子

【コレラ船】
月明や沖にかゝれるコレラ船 日野草城
コレラ船いつ迄沖にかかり居る 高濱虚子

関連記事