冬の季語

【冬の季語】冬川

【冬の季語=初冬〜晩冬(11〜1月)】冬川

【ミニ解説】

冬の川」のこと。ふゆがわ。


【冬川(上五)】
冬川や筏のすはる草の原 榎本其角
冬川にむさきもの啄む烏哉 高井几董
冬川の石にちらばる木の葉かな 高濱虚子
冬川に青々と見ゆ水藻かな 村上鬼城
冬川にかゝりて太し石の橋 高野素十
冬川に出て何を見る人の妻 飯田蛇笏
冬川をたぐり寄せては布放つ 飴山實
冬川の水合ししぶきとなる所 細見綾子
冬川の瘦せつつ天に近づけり 恩田侑布子

【冬川(中七)】
やすき瀬や冬川わたる鶴の脛 高井几董
棲家とづ閑の冬川あきらかに 飯田蛇笏
鶏毟るべく冬川に出でにけり 飯田龍太
妻若く泣く冬川も躬をしぼり 飯田龍太
仰向けに冬川流れ無一物 成田千空
日蔭出て冬川あさく流れをり 藤田湘子
とどまれば黝し冬川迅らねば 岡本眸
縛りある冬川の辺の屋台かな 山尾玉藻

【冬川(下五)】
洪水の跡をながるる冬川あり 篠原梵


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