季語・歳時記

【新年の季語】田遊

新年の季語(1月)】田遊

「正月」に、稲の豊作を前もって祝う神事芸能。国指定重要無形民俗文化財である。

一年間の田んぼ仕事の流れを、歌に所作を交えて演ずる。

青森県八戸市で行われる「えんぶり」などが有名で、東京でも高島平に二社、奇跡的に残っている。「新年の季語」に分類されることが多いが、いずれも現在は2月に行われている。

 → 徳丸北野神社田遊び 

 → 赤塚諏訪神社田遊び

 → 長者山新羅神社(えんぶり)

「田遊び」と「び」を送ることもある。


【田遊(上五)】
田遊びの早乙女の名は鶴と亀 沢木欣一
田遊びの稚児に寝られてしまひけり 椎名書子
田遊びの遊び尽して闇戻す 浅井火扇
田遊の田となる太鼓打ちにけり 伊藤伊那男
田遊のよく泣く苗をもてあます 谷岡健彦

【田遊(中七)】
ふんばつていざ田遊の牛となり 岸田稚魚
ぬかるみへ田あそびの夜の闇やさし 宮津昭彦
囃されて田遊びの牛つんのめる 大津恵子

【田遊(下五)】


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