【冬の季語】冬の春

【冬の季語=晩冬(1月)】冬の春

いわゆる「年内立春」のこと。

新暦の「立春」は2月4日前後なので、旧暦では「一月」になりそうだが、暦のズレで「十二月」にやって来ることがしばしば起きる。冬の十二月に来る立春なので「冬の春」。<年のうちに春は来にけり一年をこぞとやいはむ今年とやいはむ>という古今集に収められた在原元方の歌がよく知られる。

和歌では代々、春の題として詠まれてきたが、俳諧の歳時記では、二十四節気(=立春)よりも暦の一日(=十二月三十一日)を季の感覚として優先しているということでもある。「貞徳師云、年内立春、歌の題には春の部にて、代々の撰集おほくは巻頭に入れらる。連歌には冬也。俳諧又冬に用ふ可き也。」(『滑稽雑談』)。


【冬の春(上五)】
ふゆの春卵をのぞくひかりかな 夏目成美

【冬の春(中七)】

【冬の春(下五)】


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