【冬の季語】冬の星

【冬の季語=三冬(11月-1月)】冬の星

冬空に見える星のこと。

とくに冷たく冴えて光る星を「寒星」や「星冴ゆ」、凍てつくような夜に光る星を「凍星」とも呼び分ける。

澄み渡った冬の夜空には、7個もの1等星が燦然とかがやく(おうし座「アルデバラン」、オリオン座「ベテルギウス」「リゲル」、ぎょしゃ座「カペラ」、ふたご座「ポルックス」、こいぬ座「プロキオン」、おおいぬ座「シリウス」)。関東以南の地方では、さらにもう一つ南の地平線すれすれに輝くカノープスという星が加わる。ことに「オリオン」「寒北斗」「寒昴」あたりは、季語としてもよく使われる。「冬銀河」は冬に見える天の川のこと。


【冬の星(上五)】
冬の星足もとに犬来て息す 廣瀬直人
冬の星赤子ぐつたりしたるまま 岸本尚毅
冬の星よりも冷たきものを言へ 夏井いつき

【冬の星(中七)】
蜂飼いの友いて冬の星うごく 大西健司

【冬の星(下五)】
いつまでも一つのままに冬の星 富安風生
かぞへゐるうちに殖えくる冬の星 上田五千石
神ありと決めし眼で読む冬の星 田川飛旅子
ことごとく未踏なりけり冬の星  髙柳克弘


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