【冬の季語】紙漉

【冬の季語=晩冬(1月)】紙漉

和紙は今から1400年くらい前、朝鮮の僧によってその製法をもたらされ、聖徳太子が活躍していた頃には、仏教を広めるための写経用として和紙を使ったそう。かつては、農閑期となる冬の貴重な収入源でもあった。

日本の和紙は、楮(コウゾ)、三椏(ミツマタ)、雁皮(ガンピ)などの「皮」から作られるが、冬の寒い時期に刈り取られ、蒸されて、漉くほうが、不純物も少なく、繊維どうしのくっつき(「ねり」と呼ばれる)がよくなり、上質な和紙ができあがる。

「紙を漉く」と動詞として用いられたり、「漉き紙」として用いられることもある。


【紙漉(上五)】
紙漉のはじまる山の重なれり 前田普羅
紙漉女冬百日の手炉ひとつ 石田波郷

【紙漉(中七)】
をちこちに夜紙漉とて灯るのみ 阿波野青畝

【紙漉(下五)】

【ほかの季語と】
紙漉の梅の日向は猫歩く 森澄雄


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