念願の馬の側で癒やされ、競馬博物館を満喫している間、馬券を買い続けていた人もいた。
たしかに、せっかく競馬場に来たのだから競馬を楽しまなくては。
そこからは全員、一気にギャンブルモードに突入。
それぞれ馬券を買い、レースを見守り、当たった外れたで一喜一憂。
当初の予定ではメインレースで一旦馬券購入は終わりにしようかと考えていたが、結局最終レースも買うことに。
今回の参加者は全員「ギャンブラーの素質あり」で間違いないだろう。
買ったレースがすべて当たったという強者も現れ、盛り上がる一行。
「すごい!」「どうして!?」と大興奮。
以前競馬をされていたことがあるとのことだったが、それにしてもすごすぎる。
一方、私は一度も的中しなかった。嘘でしょ。
(メインレースも最終レースも的中のHさんの当たり馬券)
最終レース終了後はホースショーが行われるということで、再びパドックに移動。
雄大な美しい馬体、優雅で軽やかなステップに魅了された一同であった。
(写真14:華麗なステップを見せる2組の人馬)
こうして東京競馬場での吟行は終了。
その後は荻窪の鱗kokeraさんにて懇親会を行った。
懇親会からの参加者もいて、大いに盛り上がった夜となった。
(鱗さんの美味しいお料理)
今回、句会は後日に夏雲システムを使用して行った。
ウマ吟行会の句会は当日行うことが多いが、スケジュール等の関係で後日の句会となった。
これからも試行錯誤して、最適な方法を探っていきたい。
【参加者の投句より吟行句】
夏の風ただ一瞥をくれし馬 綾部宏子
手拍子にピルーエットや風薫る 海沢ひかり
馬は夏へ水脈のごとくに尾を曳いて 鈴木牛後
場所取りの競馬新聞薄暑光 藤色葉菜
夏めいて新馬いななくデビュー戦 ベガコ
ピーマンに肉溢れさす店主かな 村生浩介
いつしか雲増えてターフは夏の夕 笠原小百合
一日の出来事が眼前によみがえってくる。
こうして句を並べて鑑賞していくと、吟行の良さをひしひしと感じる。
競馬場で吟行なんて出来るの?と思っている方。
出来ます。
ぜひ句友を誘って、競馬場を訪れてみてください。
なかなか一緒に行ってくれる人がいないという方。
ウマ吟行会は今後も随時開催していきます。
ぜひ一緒に、馬に会いに、馬を詠みに行きませんか?
馬と俳句に興味のある方のご連絡を心よりお待ちしています。
(競馬場吟行、おすすめです!)
文・笠原小百合
写真・ウマ吟行会ご参加のみなさま
【執筆者プロフィール】
笠原小百合(かさはら・さゆり)
1984年生まれ、栃木県出身。埼玉県在住。南風俳句会所属。俳人協会会員。オグリキャップ以来の競馬ファン。引退馬支援活動にも参加する馬好き。ブログ「俳句とみる夢」を運営中。
【笠原小百合の「競馬的名句アルバム」バックナンバー】
【第1回】春泥を突き抜けた黄金の船(2012年皐月賞・ゴールドシップ)
【第2回】馬が馬でなくなるとき(1993年七夕賞・ツインターボ)
【第3回】薔薇の蕾のひらくとき(2010年神戸新聞杯・ローズキングダム)
【第4回】女王の愛した競馬(2010年/2011年エリザベス女王杯・スノーフェアリー)
【第5回】愛された暴君(2013年有馬記念・オルフェーヴル)
【第6回】母の名を継ぐ者(2018年フェブラリーステークス・ノンコノユメ)
【第7回】虹はまだ消えず(2018年 天皇賞(春)・レインボーライン)
【第8回】パドック派の戯言(2003年 天皇賞・秋 シンボリクリスエス)
【第9回】旅路の果て(2006年 朝日杯フューチュリティステークス ドリームジャーニー)
【第10回】母をたずねて(2022年 紫苑ステークス スタニングローズ)
【第11回】馬の名を呼んで(1994年 スプリンターズステークス サクラバクシンオー)
【第12回】或る運命(2003年 府中牝馬ステークス レディパステル&ローズバド)
【第13回】愛の予感(1989年 マイルチャンピオンシップ オグリキャップ)
【第14回】海外からの刺客(2009年 ジャパンカップ コンデュイット)
【第15回】調教師・俳人 武田文吾(1965年 有馬記念 シンザン)
【第16回】雫になる途中(2023年 日経新春杯 ヴェルトライゼンデ)
【第17回】寺山修司と競馬(1977年 京都記念 テンポイント)
【第18回】主役の輝き(2012年 阪神大賞典 オルフェーヴル)
【第19回】白毛馬といふといへども(2022年ヴィクトリアマイル ソダシ)
【第20回】父の帽子(2018年日本ダービー 2着エポカドーロ)