前月に刊行された俳句結社誌・同人誌の最新号から推薦句を送っていただき、一覧として掲出するコーナーです。毎月、募集していますので、ご協力いただける俳誌・結社があれば、このページをご覧ください。ご投稿は、こちらのフォームからお願いします。
また、このページの掲出句から、読者の皆さんの「推しの一句」(未来の名句となるかも)を選んでご鑑賞いただく読者参加型「コンゲツノハイクを読む」は、2月25日締切です。ご投稿は、こちらのフォームからお願いします。お待ちしてます!
コンゲツノハイク 2025年2月
(2024年1月刊行分)今月の参加結社☞「秋草」「稲」「伊吹嶺」「円虹」「海原」「火星」「河」「樺の芽」「銀化」「銀漢」「澤」「秋麗」「青山」「鷹」「橘」「田」「天穹」「南風」「濃美」「ふよう」「ホトトギス」「街」「森の座」「雪華」
「秋草」(主宰=山口昭男)【2010年創刊・兵庫県神戸市】
<22025年2月号(通巻182号)>
我に蹤く風のにほひや冬の草 山口昭男
唆す如くおでんのちくわかな 渡辺一二三
立ちどまることなく菊を見て終る 橋本小たか
ままごとの皿いつぱいの冬日かな 村上瑠璃甫
魚の散るやうにしぐれてきたりけり 山口遼也
こんな日は蒲団干さずに何するぞ 桑山文子
水鳥へ吉報がとびこんでくる 舘野まひろ
「稲」(主宰=山田真砂年)【2021年1月創刊】
<2025年1月号(通巻26号)>
天竜時雨鯉こく熱くすすりをり 北原昭子
マネキンが眼鏡をかけて九月来る 上田信隆
水槽の中めく部屋や野分中 中村かりん
片づけの過去へ誘ふ鰯雲 林 恵美子
満月の色借りて来し花オクラ 戸上晶子
秋日濃しデッサンの娘は素の顔で 高田 峰
ぶち抜いて蒲団敷き詰め夏休み 堀 潤子
「伊吹嶺」(主宰=河原地英武)【1998年1月創刊・愛知県名古屋市】
<2025年1月号(通巻319号)>
枯葦を沈みてゆけり群雀 河原地英武
くわりんの実机上に一つ欣一忌 栗田やすし
うす翅をたゝみきれずに枯蟷螂 下里美恵子
みな同じ貌の羊やそぞろ寒 加藤剛司
そぞろ寒灯さぬ部屋の時計鳴る 山田万里子
夕時雨能登の人かと問はれたり 舩本静江
夫の焼くパン・ペルデュの香秋の朝 野津洋子
「円虹」(主宰=山田佳乃)【1995年創刊・兵庫県神戸市】
<令和7年2月号 第362号>
冬めくや築地の白のうすよごれ 岡内公子
神馬舎の白馬の像に散る紅葉 小林志乃
さりながらこの世は愉快一茶の忌 高柳しずか
網棚の神農の虎横を向き 行者婉
転んでも泣かず枯芝また走る 香川寿子
ぱりと割れ雫滴る大根引 古谷より子
午後二時の快速電車日向ぼこ 田畑麻紀
「海原」(代表=安西篤)【2018年創刊・千葉県市川市】
<2025年1・2月号(第65号)>
夜が肌となり刺さりくる虫の声 伊藤道郎
撫で肩に昆布をのせて走るかな 葛城広光
形あるものを捌いて秋出水 木村寛伸
冬凪は自分を許しすぎてしまう 小林育子
白菊の白に屈めば街消える 月野ぽぽな
うしろから秋蝶人の召され方 中村晋
ガザの子の黒眼コオロギ鳴き通せ 野田信章
「火星」(主宰=山尾玉藻)【1936年創刊・大阪府大阪市】
<2025年1月号(通巻1020号)>
一陽や茶の花に蘂あればこそ 山尾玉藻
鵙鳴くや幸村像の束ね髪 大山文子
立呑みの朝から混める神の留守 蘭定かず子
なににかはせんと手窪の烏瓜 山田美恵子
露ひとつこぼして萩の照りかげり 坂口夫佐子
藷蔓を炒めて祖母の顔知らず 高尾豊子
憑物の落ちしやうなるやんまの眼 福盛孝明
「河」(主宰=角川春樹)【1958年創刊・東京都新宿区】
<2025年1月号(通巻794号)>
淋しさに似て倖せや木の実降る 角川春樹
やはらかに命をかこふ白障子 宮京子
幸福の輪郭冷えた自転車は 愛知けん
飲食やテレビに飽きて夜の長し 浜谷栄子
書き出しにペンの乗りこぬ夜寒かな 小川莎良
雁月夜人である身の寂しかり 伊豆郁音
父母未生以前蔵せり虚栗 井澤健二朗
「樺の芽」(主宰=粥川青猿)【1967年創刊・北海道帯広市】
<第54巻第2号(通巻579号)>
霜来るか触れればほてる檻の鍵 粥川 青猿
枯野来て天地返しの砂時計 江波戸 明
新巻のあぎとの縄の塩の粒 山田 倫一郎
育毛剤たっぷり振るも木の葉髪 木幡 嘉子
別れ来て何故か強まる雨と雪 村川 三津子
買い物の蜜柑に青の二つ三つ 岩佐 勢津子
文化の日スマートフォンの暗き窓 道下 いずみ
「銀化」(主宰=中原道夫)【1998年創刊・東京都港区】
<2025年2月号(通巻317号)>
回るたび枯れゆくメリーゴーランド 水口佳子
語り継ぐやうに六花の降る水面 大嶋康弘
飛び石を剝がしたる跡枯芝に 三村凌霄
スノードーム見知らぬ町に雪の舞ふ 川村直子
短日の待ちぶせてゐる県境 西村みかん
垣間見し百度参りの緋のショール 渡邉マミヲ
日向ぼこ異形の者が通り過ぐ 宇佐美友美
「銀漢」(主宰=伊藤伊那男)【2011年創刊・東京都千代田区】
<2025年1月号(通巻169号)>
芒原夜はあやかしの宴どき 伊藤伊那男
夢の中まで宿坊の隙間風 坂口晴子
潮鳴りを運んで来たる鱈の貌 武田禪次
ひととせの恙も交はし年の市 朽木直
駄菓子屋のくじは当たらず一葉忌 坂下昭
村歌舞伎首振るだけの姫の役 小山蓮子
浅草の仏壇屋見て薬喰 荻野ゆ佑子
「雲の峰」(主宰=朝妻力)【1989年創刊・2001年結社化・大阪府茨木市】
<2025年1月号(通算403号)>
初冬のへしこと出羽の秋あがり 浅川加代子
手を打つて鳴き竜覚ます小春かな 小澤 巖
おばしまに嘴擦る鵟泰然と 酒井多加子
小春日の戸口に護符の角大師 角野京子
風出でて綿虫消ゆる薄暮かな 播广義春
鉤の手に迷ひて過去へ秋時雨 福長まり
海峡の見ゆる古墳や色鳥来 松浦陽子
「澤」(主宰=小澤實)【2000年創刊・東京都杉並区】
<2025年1月号(通算298号)>
むさし野の端あるきをる小春かな 小澤實
年賀状書ける喜び米寿われ 上村ヒナコ
友手製のずんだおはぎや追ずんだ 小澤たえみ
パック入りとろろ解凍せしをなほも擂り 古関敏子
蕎麦焼酎蕎麦湯割なり大湯呑 楠えり子
オレゴンより松茸届く和歌添へて 信太蓬
アース・ウインド・アンド・ファイヤー無限再生夜業なる 遠藤ちひろ
「秋麗」(主宰=藤田直子)【2009年創刊・神奈川県川崎市】
<2025年1月号(通巻172号)>
多摩川の平らを拝す大旦 藤田直子
刈るほどもなき子規庵の木賊かな 宝絵馬定
冬うらら重力はなれ俊太郎 後藤信雄
外濠の樹樹の年ふり憂国忌 外池拓人
冬の蝶時間軸より零れたり 円城寺順子
シェフは今日臨時休業猟解禁 安西佐和
輪郭の無き煌めきよ冬のてふ 渡辺鮎美
「青山」(主宰=しなだしん)【1982年創刊・神奈川県横浜市】
<2025年1月号(通巻506号)>
少年は少年同士初稽古 山崎ひさを
雪の降る町その先にジャンプ台 しなだしん
竹籠に摘む実山椒葉山椒 井越芳子
花生けて一人の家の布団干す 水谷由美子
ラグビーを見るや母校のジャージ着て 坂東文子
棟梁の声が並べる菊の花 ローバック恵子
流木に腰掛け秋が押し寄せる 細野和子
「鷹俳句会」(主宰=小川軽舟)【1961年創刊・東京都千代田区】
<2025年2月号>
松越しに雲居はるけき参賀かな 小川軽舟
山眠るいつか根こそぎ嘘になる 夕雨音瑞華
この世去る如く焚火の輪を抜ける 穂曽谷洋
煮凝を笑酒(ゑぐし)につつく変哲忌 山内基成
天井から電気引つぱる夜業かな 井上宰子
朝晩の夫婦茶碗や希典忌 榎丸文弘
蓮の骨水に鈍器の光あり 押田みほ
「橘」(主宰=佐怒賀直美)【1978年創刊・埼玉県久喜市】
<2024年3月号(通巻555号)>
偏愛の万年筆と冬に入る 山口風樹
枯蟷螂太つ腹出し流眄す 大久保和生
ぎす鳴かせ山のよろづ屋薪を積む 赤松羊子
友の死や高く大きく冬の虹 渡辺浩子
山羊の頭のほよと十月桜かな 髙田良子
踏む人のあらぬ今年の木の実落つ 吉田八汐
鯖街道岐つ集落初しぐれ 小山八寿子
「田」(主宰=水田光雄)【2003年創刊・千葉県市川市】
<2025年2-3月号(通巻258号)>
まさをなる広島の空冬の川 清水余人
初旅のフォークに乗せるライスかな 草子洗
灯台の灯の回り来る竹瓮かな 間 恵子
義士の日のともしび白く更けにけり 佐藤千恵子
いわし雲めがけ遮断機振り上ぐる 兼行美栄
定職を持たず綿虫見上げたり 笠原小百合
寒禽や人は写真に興じ合ひ 平野山斗士
「天穹」(主宰=屋内修一)【1998年創刊・東京都渋谷区】
<2025年1月号(通巻323号)>
獅子頭横抱きのまま祝酒 益井善清
真ん中に白寿の慈顔初写真 屋内修一
煤逃げや野球少年引き連れて 髙野紀子
看護師は手に走り書き除夜の鐘 尾中 恵
正月の酒ぐらゐはと島の医者 山口美智
囲まれて長寿冥利やお正月 安達幸代
風神の気息に合はす凧の糸 塚本一夫
「南風」(主宰=村上鞆彦)【1933年創刊・東京都葛飾区】
<2025年2月号(通巻975号)>
冬蝶が冬蝶と会ふ日ざしかな 中村幸子
冬あたたかにかたつむり樹の上に 板倉ケンタ
小春日の蓑虫庵に長居かな 野口憲子
照り返す紅茶のおもて文化の日 市原みお
露草に線路が消えてゐるところ 大熊光汰
冬鵙のとまれば遠くなる梢 延平昌弥
谷底のざわめく石よ星冴ゆる 菅井香永
「濃美」(主宰=渡辺純枝)【2009年創刊・岐阜県岐阜市】
<2025年2月号(通巻191号)>
冬深し時々動く猫の耳 渡辺純枝
捨つるもの綺麗に畳みそぞろ寒 斎田礼子
離れより客人(まらうど)の灯や雁のころ 関谷恭子
会へばまた次の約束秋の暮 西杉佳子
蒼穹を蹴上げてゐたり鵙の贄 山田豊志
そぞろ寒沖を見て食ふ炙りたこ 辻 斉
長月やチェロのくびれの柔らかし 中島美恵子
「ふよう」(主宰=千々和恵美子)【2005年創刊・福岡県遠賀郡】
<2025年1月号(通巻119号)>
梵鐘を打つ初雪の白光に 千々和恵美子
息白し声にならざるときはなほ 安倍真理子
大注連に乗りて跳ね藁切り落とす 村上智恵子
冬の蝶石の温みに翅閉づる 池内祥晴
聖夜待つ母の口癖諳んじて 渡辺味蕾
霜月や焦げの程好き瓦蕎麦 藤井さわこ
鍋に湯気ゆらりゆらりと独り酒 米田和徳
「ホトトギス」(主宰=稲畑廣太郎)【1897年創刊・東京都千代田区】
<2025年2月号(通巻1538号)>
雲描く空春近き鼓動かな 稲畑廣太郎
雲の浪抜け星の浪雁渡る 山田佳乃
南へと手ぶらで帰る燕かな 酒井湧水
一球に関西が沸く夜長かな 涌羅由美
吾が猫はここに眠りぬ草の花 荒井桂子
空の青大地に繫ぐ草の花 伴統子
万緑を背に大仏の揺るぎなし 児嶋貴和
「街」(主宰=今井聖)【1996年創刊・神奈川県横浜市】
<NO.171>
寒月や占師まづ爪を観る 今井聖
逝く秋のインクが海といふ文字に 小久保佳世子
寄鍋より皇帝の髭はみ出しぬ 竹内宗一郎
ひとりづつ菊を貰ひて入室す 西澤みず季
マフラーが魔法の杖にひつかかる 北大路翼
二重顎泣いて鍋焼うどんの上 藤尾ゆげ
秋風や編まれて籠の立ち上がる 西生ゆかり
「森の座」(代表=横澤放川)【2017年創刊・東京都文京区】
<2025年1月号>
柴漬の中にまぎれて青小笹 横澤放川
日と風に日夜磨かれ新松子 和田西方
冬田より煙一条妹逝ける 小林收
髪切つて天下秋麗バスを待つ 髙井まさ江
手首より残暑の時計はづしけり 曽我欣行
湖風に向ふ歓びあきつ浮く 内田和子
稲掛の稲梳かす風磨く風 北杜駿
「雪華」(主宰=橋本喜夫)【1978年創刊・北海道旭川市】
<2025年2月号>
火の番の回る太秦映画村 三谷なな子
凍鶴や血の滲みたるトゥーシューズ 勝浦恭子
新海苔はわたつみの髪褒めそやす 青山酔鳴
往年のスターが叩き売るおせち 土井探花
夕しぐれ細く繁體字のやうに 島崎寛永
孫のごと鶯餅を座らせむ 井上絃
湯豆腐や父は家族を捨て去って よしざね弓
【次回の投稿のご案内】
◆応募締切=2025年2月25日
*対象は「コンゲツノハイク」2025年2月分(このページ)です。
◆配信予定=2025年2月28日
◆投稿先 以下のフォームからご投稿ください。
https://ws.formzu.net/fgen/S51058765/
【次回の投稿のご案内】
◆応募締切=2025年2月28日
*対象は原則として2025年1月中に発刊された俳句結社誌・同人誌です。刊行日が締切直後の場合は、ご相談ください。
◆配信予定=2025年3月5日
◆投稿先 以下のフォームからご投稿ください。
https://ws.formzu.net/dist/S21988499/