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【#32】『教養としての俳句』の本作り

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【連載】
趣味と写真と、ときどき俳句と【#32】


『教養としての俳句』の本作り

青木亮人(愛媛大学准教授)


NHK出版が手がける『学びのきほん』シリーズというのがあり、2022年秋にそのシリーズから俳句関連の本を刊行させてもらった。

 写真:青木亮人『教養としての俳句』(NHK出版)

『学びのきほん』の位置付けは各ジャンルの入門の入門といった感じで、各分野の特徴やエッセンスを一般の方々向けに分かりやすく説く、といった方針である。

ジャンルは幅広く、例えば人類学(松村圭一郎氏)キリスト教(山本芳久氏)哲学(若松英輔氏)料理(土井善晴氏)読書(高橋源一郎氏)等々が刊行されている。その中に俳句ジャンルも加わることになったというわけだ。

俳句入門書の多くは実作を前提とした内容だが、『学びのきほん』シリーズの拙著では実作を中心に据えず、俳句独特の魅力や特徴はいかなる点か、といった方向でまとめてみた。

『学びのきほん』シリーズを手に取る方は、芸術や歴史、思想その他について広く教養を身につけたいと感じる方が多いという。そのため、俳句表現や俳句史の細かい話よりもダイジェスト的にエッセンスを綴る形にした。

内容をまとめながら題名を思案していた際、編集部から『教養としての俳句』というアイディアをいただき、簡潔かつ要を得た題に感じたため、題は即決で決まった。

本書の「まえがき」では、題名に「教養」という名を付した意味を明らかにしながら──このあたりは説明すると長くなるために関心のある方は本書をご覧いただきたい──、1章につなげる形で「教養」のありようをまとめている。

無論、句作をされている方が手に取っても再確認できたり、学びにつながる内容になるようにも留意した。どの程度上手くいったかどうかは分からないが、とにかく本としては出来上がり、11月頃から店頭に並ぶようになった。

書籍を刊行する際に感じることだが、本は一人の力で出来ることではなく、多くの方との共同作業で出来上がっていることを毎回実感する。無論、今回も強く感じた。編集の白川貴浩さん並びに編集部スタッフの方々、また校正の牟田都子さん、及び装丁及びイラストを担当下さった鈴木千佳子さんには感謝の他ない。

上品でありながらポップで親しみやすい雰囲気も湛えた装丁は素晴らしく、それに校正も隅々まで行き届き、また学ぶ点も多かった。特に今回は文章校正を通じて自分の文章の特徴や傾向を認識することができ、個人的に大きな発見があったのも嬉しかった。 

先日、その拙著が増刷になったとのことで、ありがたい限りだ。今後の本の作成も、スタッフや担当の方々と協力しながら良い本を生み出すことができれば嬉しい。

【次回は12月30日ごろ配信予定です】


【執筆者プロフィール】
青木亮人(あおき・まこと)
昭和49年、北海道生まれ。近現代俳句研究、愛媛大学准教授。著書に『近代俳句の諸相』『さくっと近代俳句入門』など。


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