【冬の季語】炭

【冬の季語=三冬(11-1月)】炭

木炭のこと。

現在ではバーベキューや炭火焼きなど、料理に用いられることのほうが多いが、季語としては暖をとるためのもの。

平安時代から、戦後、石油やガスなどへ燃料が転換する高度成長期頃までの長年にわたり、産業分野や一般家庭でも普通に用いられる燃料だった(たとえば、掘炬燵でも、炭を継いでいた)。

原材料は、楢、檪、栗、樫など。

樹木に水気の乏しい冬季が「炭焼」の季節である。


【炭(上五)】
炭の香のたつばかりなりひとり居る 日野草城

【炭(中七)】
つぎ去りし炭うつくしく火うつくしく 後藤比奈夫
紀ノ国は木よりも炭の美しき 高橋睦郎

【炭(下五)】
しづけさに加はる跳ねてゐし炭も 鷹羽狩行

【ほかの季語と】
千駄木に降り積む雪や炭はぜる 車谷長吉


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