【秋の季語】鈴虫

【秋の季語=初秋(8月)】鈴虫

秋の「」の代表。その声は古くから「鳴く虫の王」と呼ばれてきた。

雄の羽は幅が広く脈が発達しており、羽を垂直に立てて細かく鳴き続ける。大きさは2センチほど。

基本的に夜行性であるが、曇りの日などは昼夜を問わず鳴く。

江戸時代には人工飼育による「虫売」による販売も行われるほど人気を博した。

「月鈴子」とも呼ばれる。


【鈴虫(上五)】
鈴虫を飼ひ殺し詩を生み殺し 鷹羽狩行
鈴虫の鈴を奪へるほどの風 加古宗也
すずむしの箱の渦巻模様かな 彌榮浩樹
鈴虫や母を眠らす偽薬 後閑達雄

【鈴虫(中七)】
飼ひ置きし鈴虫死で庵淋し 正岡子規
思ひさへ鳴く鈴蟲にはばかられ 中村汀女
終活は鈴虫の甕捨ててから 大石悦子
化粧して鈴虫の籠のぞきけり 山尾玉藻

【鈴虫(下五)】
みとりの夜いまは傾ちぬ鳴く鈴虫 日野草城


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