胸びれを使って、海の上を飛ぶ魚。歴史的仮名遣いは「とびうを」。「とびを」「あご」と読ませることもある。
シイラなどの大きな魚に追われていると、一気に時速60キロで200メートル以上、風を利用して飛ぶらしい。
別称は「つばめ魚」。
【飛魚(上五)】
飛魚のとぶ紺よしといひし人 高野素十
飛魚を追へる舳は壱岐通ひ 阿波野青畝
飛魚の片翅きらめき飛びにけり 清崎敏郎
飛魚を全く吐かず今日の海 森田峠
飛魚(あご)とんで玄海の紺したたらす 片山由美子
【飛魚(中七)】
大空へ海動く飛魚がとぶ 池内友次郎
今日あひし飛魚舟の明日を思ふ 藤後左右
弁当に飛魚月曜日はいつも 今井聖
【飛魚(下五)】
藍深き玄海の濤飛魚とぶ 小原菁々子