【春の季語=初春(2月)】獺祭(獺の祭)
初春の七十二候のひとつでもある季語「獺魚を祭る」を、短くしたもの。
じっさいに、そのような祭りが開かれるわけではない。
「うそ」ではなく「おそ」(歴史的仮名遣いだと「をそ」)と読ませる。おそまつり。おそのまつり。だっさい。
芭蕉にも〈獺の祭見て来よ瀬田の奥〉の句がある。
【獺祭・獺の祭(上五)】
獺祭嘘も真もあるがまま 稲畑汀子
獺の祭り余せし諸子焼く 上野一孝
【獺祭・獺の祭(中七)】
茶器どもを獺の祭の並べ方 正岡子規
川靄の動くは獺の祭らし 市川葉
根岸なる獺のまつりの跡訪はん 高橋睦郎
【獺祭・獺の祭(下五)】
木々の秀を雲の掠める獺祭 小澤克己
磧石まざと濡れをり獺祭 西村和子
統計のまことしやかに獺祭 上谷昌憲
川風のひと撫でしたる獺祭 山田佳乃
【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】