星空のととのふまでをバーベキュー
小山玄黙
俳句をはじめたころ(10年ほど前)、「季語になっていてもいいのに」と思っていた言葉のひとつに「バーベキュー」があったのだけど、最近ふと、角川「合本俳句歳時記」第5版(2019年)を眺めていたら、いつのまにか「キャンプ」の傍題に入っていたのだった。掲句だが、まだ暗くならないうちからはじめるバーベキュー。夜になったら星空がきれいに見える、高原のようなところだろう。家族旅行かもしれないし、サークルの合宿などかもしれない。夜空が立ち上がるのを「ととのふまで」と、ひとつの舞台装置のように表現したことで、そこからはじまる静かな時間を余韻として漂わせている。(堀切克洋)
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