冬の季語

【冬の季語】湯たんぽ(湯婆)

【冬の季語=三冬(11月〜1月)】湯たんぽ(湯湯婆)

冬の寒い時期、体を温めるためにお湯を入れて使用される容器のこと。「湯婆(たんぽ)」とも。

昔は三葉虫のようなかたちの金属製のもの、あるいは陶器製のものが一般的であったが、近年は軽いゴム製、プラスチック製のものも多い。

湯たんぽの起源は中国とされていて、14世紀(室町時代)に日本に伝わったとされる。

中国語では「湯婆子(タンポツ)」といい、「婆」は妻のことを指す。


【湯たんぽ(上五)】
湯婆の一温何にたとふべき 高浜虚子
湯婆の湯わかす術さへなかりけり 久保田万太郎
湯婆や忘じてとほき医師の業 水原秋櫻子
湯たんぽを押し出しふかく眠りゐし 篠原梵
湯たんぽの慈母のごときを足蹴にす 伊藤伊那男
湯婆やまだなきがらの足もとに 長谷川櫂
ゆたんぽのぶりきのなみのあはれかな 小澤實
湯婆にのせ大足と思ひけり 今瀬剛一
湯たんぽはダメ充電器なら貸すよ 野口る理

【湯たんぽ(中七)】
ふるさとの湯たんぽの湯に顔洗ふ 鳥居真里子
オコジョ見るまで湯たんぽとここにいる 中矢温

【湯たんぽ(下五)】


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 【夏の季語】河童忌/我鬼忌 龍之介忌
  2. 【夏の季語】桐の花
  3. 【新年の季語】七日
  4. 【秋の季語】秋桜
  5. 【夏の季語】氷菓/アイスクリーム ソフトクリーム アイスキャンデ…
  6. 【春の季語】チューリップ
  7. 【冬の季語】寒椿
  8. 【秋の季語】萩/萩の花 白萩 紅萩 小萩 山萩 野萩 こぼれ萩 …

おすすめ記事

  1. ばばばかと書かれし壁の干菜かな   高濱虚子【季語=干菜(冬)】
  2. 一燈を消し名月に対しけり 林翔【季語=名月(秋)】
  3. 順番に死ぬわけでなし春二番 山崎聰【季語=春二番(春)】
  4. 神保町に銀漢亭があったころ【第81回】髙栁俊男
  5. 山羊群れて夕立あとの水ほとり  江川三昧【季語=夕立(夏)】
  6. 雲の中瀧かゞやきて音もなし 山口青邨【季語=瀧(夏)】
  7. 生きものの影入るるたび泉哭く 飯島晴子【季語=泉(夏)】
  8. 飯蛸に昼の花火がぽんぽんと 大野朱香【季語=飯蛸(春)】
  9. 【冬の季語】冬日和
  10. 神保町に銀漢亭があったころ【第72回】本井英

Pickup記事

  1. 火種棒まつ赤に焼けて感謝祭 陽美保子【季語=感謝祭(冬)】
  2. いちじくを食べた子供の匂ひとか 鴇田智哉【季語=いちじく(秋)】
  3. みじろがず白いマスクの中にいる 梶大輔【季語=マスク(冬)】
  4. 【短期連載】茶道と俳句 井上泰至【第5回】
  5. 晴れ曇りおほよそ曇りつつじ燃ゆ 篠田悌二郎【季語=躑躅(春)】
  6. 【春の季語】桜蘂降る
  7. 【クラファン目標達成記念!】神保町に銀漢亭があったころリターンズ【16】/寺澤佐和子(「磁石」同人)
  8. 俳人・広渡敬雄とゆく全国・俳枕の旅【第17回】丹波市(旧氷上郡東芦田)と細見綾子
  9. 春雷の一喝父の忌なりけり 太田壽子【季語=春雷(春)】
  10. 春の夜のエプロンをとるしぐさ哉 小沢昭一【季語=春の夜(春)】
PAGE TOP