【夏の季語】薔薇

【夏の季語=初夏(5月)】薔薇

初夏、美しく香り高い花を咲かせる。

温室で育てられることもあり、一年を通じて見ることができる花だが、はる秋になれば「秋薔薇」、冬になれば「冬薔薇」となる。「薔薇の芽」は、春の季語である。


【薔薇(上五)】
薔薇活けて少し気重な客を待つ 木地本嘉子
薔薇一片小舟のやうに飛びゆくも 名取里美
雨後の薔薇大きく息をしてゐたる 岡田由季
薔薇の名を読み終へてまた薔薇を見る 矢野玲奈
ばらの雨白い鯨が来るだらう 鎌田俊
薔薇の雨忌野清志郎の墓 伊藤麻美

【薔薇(中七)】
街の縮図が薔薇挿すコップの面にあり 原子公平
モガキツツ薔薇鐵皿ニ燒キアガル 関悦史 
手のあぶら薔薇にうつしてしまひけり 若林哲哉

【薔薇(下五)】
彼のことを聞いてみたくて目を薔薇に 今井千鶴子
長兄の手品はいつも薔薇が出る 仁平勝
なつかしくここにも雨の薔薇咲いて 石田郷子
化石にも心臓ありぬ夜の薔薇 神野紗希

【ほかの季語と】
ハンカチの薔薇の刺繍も乳くさき 神野紗希



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