【冬の季語=仲冬(12月)】柚子湯
「柚子」を浮かべた風呂のこと。江戸時代に「冬至」の日、銭湯に柚子を輪切りにして入れて沸かす柚子湯があったことから「冬至湯」「冬至風呂」とも。ただし、冬至と柚子の関係は明らかではない。「柚子」は秋の季語である。
【柚子湯(上五)】
柚子湯して五欲も淡くなりしかな 小林康治
柚子湯もう握り潰してありし柚子 岩田由美
ゆず湯の柚子つついて恋を今している 越智友亮
【柚子湯(中七)】
うつうつと柚子湯に眉の溶けにけり 殿村莵絲子
【柚子湯(下五)】
金溜まることに縁なき柚子湯かな 鈴木真砂女
病み抜いて垢も浮き来ぬ柚子湯かな 甲斐由起子