【夏の季語=晩夏(7月)】幽霊
ゆうれい。歴史仮名遣いだと「いうれい」と書く。
幽霊は、江戸時代以前から怪談という形で伝承され、江戸時代には怪談噺などが大流行した。「雨月物語」「牡丹燈籠」「四谷怪談」などといった名作が創られ、また、講談や落語、草双紙、水墨画、浮世絵などで盛んに描かれた。現在も題材として新作から古典の笑話・小説・劇などに用いられ、その他の様々な媒体で登場し紹介される。
文政8年6月11日(1825年7月26日)に江戸の芝居小屋「中村座」で『東海道四谷怪談』が初公演されたことに因んで、7月26日は「幽霊の日」となっている。現在でも夏の納涼歌舞伎では、怪談物がかかることがある。
仲夏の季語ともなっている「銀龍草」には「幽霊草」「幽霊茸」という異名もある。
【幽霊(上五)】
幽霊の井戸掘り当てし地獄の湯 杉原青二
いうれいは給水塔をみて育つ 鴇田智哉
【幽霊(中七)】
コカコーラ持つて幽霊見物に 宇多喜代子
【幽霊(下五)】
【その他の季語と】
幽霊が出る理科室も夏休 三村純也