
【冬の季語=晩冬(1月)】寒月
「冬の月」のなかでも、凍てつくように寒い冬の夜空に、冴えわたって見える月のこと。
【寒月(上五)】
寒月や穴の如くに黒き犬 川端茅舎
寒月の通天わたるひとりかな 川端茅舎
寒月の炎ゆるを窓に狂女眠る 西東三鬼
寒月にこれがわが住む邸なるかと 山口誓子
寒月に水捨つひとの華燭の日 桂信子
寒月の光の中の湖畔宿 藤本はな
寒月や親しき人の別の顔 大内都
寒月や鎧は函に納まりぬ 冨田拓也
寒月や皿に犇く山のもの 谷雄介
【寒月(中七)】
眠剤を飲む寒月の夜のため 山口誓子
富士壺の口寒月の照らしをり 相子智恵
【寒月(下五)】
咆えてもみよ檻の中まで寒月光 中村苑子
【ほかの季語と】
寒月に七つの焚火大きうす 日野草城
寒月やげに晴れわたる鶴の空 星野立子
寒月の照すことなく燕の巣 三橋敏雄