【秋の季語】流星


【秋の季語=三秋(8〜10月)】流星

流れ星」のこと。漢語的な響きがあり、また四音なので上五で使いやすい。〈流星の使ひきれざる空の丈〉(鷹羽狩行)などが有名である。流星は一年を通じて見ることができるが、なかでも見やすいのが、8月の「ペルセウス座流星群」。そして俳句では、「七夕」「星月夜」などの季語ともあいまって、秋の季語として扱われている。


日本では、流れ星が落ちきるまでのあいだに3回願いごとをすれば、願いが叶うといわれているが、そういうポジティブな流星観は、歴史的に見れば少数派である。たとえば、アンデルセンの童話「マッチ売りの少女」では、マッチを磨ってごちそうの夢を一通り見た少女が流れ星を見て、「流れ星は誰かの命が消えようとしている象徴なのだ」と教えてくれた祖母の言葉を思い出すシーンがある。


【流星(上五)】
流星のきらめき落つる地獄谷 水原秋櫻子
流星のそこからそこへ楽しきかな 永田耕衣
流星や遠き波郷のふところ手 加藤秋邨
流星のあと軋みあふ幾星座 福永耕二
流星を見しより私だけの部屋 山田みづえ
流星の使ひきれざる空の丈 鷹羽狩行
流星に秘めごとならぬ願ひごと 稲畑汀子
流星や孔子失意の琴一つ 有馬朗人
流星は旅に見るべし旅に出づ  大串章
流星やいのちはいのち生みつづけ 矢島渚男
流星を北斗の柄杓もて掬ふ 武田花果
流星を咥えしたたる秋田犬 鳴戸奈菜
流星も入れてドロップ缶に蓋 今井聖
流星に二度と戻れぬ空のあり 櫂未知子
流星やゲーム画面に地平線 金子敦
流星の軌跡湛えている鎖骨 千倉由穂
流星がガススタンドの灯へ曲がる 福田若之

【流星(中七)】
盃に映し流星飲むべしや 山口青邨
わがにぎりこぶしは流星にはあらず 阿部青鞋
山登るほど流星の音すなり 対馬康子
ドレスごと抱かれた 流星の音きいた 松本恭子
聞き役に飽きて流星欲るピエロ 仙田洋子
山頂に流星触れたのだろうか 清家由香里

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